・街路樹下の雑草に混じるワルナスビにご注意を!
先日用事があり、河原町今出川の交差点の東南角で待ち合わせをしていました。角には街路樹が植えられ、その横には雑草が生えていました。あれっここは管理が悪いなと何気なく雑草を見ていると、なんとコヒルガオに混じりワルナスビが生えていました。
ワルナスビの茎や葉には鋭いとげも生えているので、誰も触れないとは思いましたが、薄紫色の花を摘もうと子供が触ると危険だなと心配でした。草全体に、ジャガイモの芽にあると同じ有毒のソラニンを含んでいるからです。
先に、意外とスイセンやグロリオサなどの草花には毒を持った種類が多いので、野菜畑とお花畑は分けるほうが良いことを第1回、第2回、第3回と分けて紹介しました。児童が歩く道端には雑草が多少生えるのはやむを得ませんが、有毒の草には触れさせることの無いように除草しておいて欲しいものです。もしワルナスビを見かけたら、手袋をしてできるだけ根を切らないように引き抜いて下さい。根が切れるとそこから新しい芽がまた出てくるので、芽が出なくなるまで除きましょう.
ワルナスビ
グリーンベルトで見かけた雑草
あれ、雑草が生えてる生えてるなと思いましたが、ああコヒルガオが咲いているなと近寄って見ました。するとなんと、その横に小さな花を着けたワルナスビらしい草が見えました。
コヒルガオはヒルガオ科ヒルガオ属のつる性の多年草です。同じヒルガオ科のアサガオとよく似た淡赤色のやや小さな花を夏の間咲かせます。タネはできることなく、地下茎で繁殖します。
コヒルガオとトワルナスビ
よく見るとやはりワルナスビでした。ワルナスビはナス科ナス属の多年草で、アメリカ原産で日本には昭和初期に渡来して帰化した外来植物で、全国に広がっています。茎や葉に鋭いとげが多く生えており、タネが家畜の糞などに混じって広がり、根から伸びた地下茎であっという間に繁茂します。
ワルナスビ
横を見ると、なんとたくさんのワルナスビが花を咲かせていました。
耕耘機などですき込んだり、除草しようと引き抜いた際に、地下茎が切れてその一つ一つから芽が出てかえって増殖してしまいます。また除草剤も効きにくいため、一度生えると完全に駆除するのは難しい厄介な雑草です。
ワルナスビの花
同じナス科のジャガイモやナスとよく似た白あるいは淡青色の花を、春から秋まで咲かせます。果実は球形で熟すると黄色になり、プチトマトに似ています。全草がジャガイモの芽に含まれると同じ有毒のソラニンを含んでいます。誤って食べると、嘔吐、下痢や呼吸困難などを惹き起して危険です。 薬用にも食用にもならず、家畜が食べても場合によっては中毒死するとされています。
ワルナスビ(京丹波)
ワルナスビの花(京丹波)
これは京丹波の畑周辺で見かけたワルナスビです。
和名のワルナスビはこのように毒性を持つため名づけられており、英語でもApple of Sodom(ソドムのリンゴ)あるいはDevil’s tomato (悪魔のトマト)と言う悪名で呼ばれています。
街路樹横の雑草・エノコログサ
他の街路樹の下などではたいてい、このようにエノコログサなどが生えています。
エノコログサは、イネ科エノコログサ属の1年生草本で、ブラシのような長い穂の形が独特な雑草です。 夏から秋にかけてつける花穂が、犬の尾に似ていることから、犬っころ草が転じてエノコログサという呼称になったとされます。
エノコログサの花穂
エノコログサの花穂をネコの前にゆらゆら振るとネコが飛びつくことから、猫じゃらしなどとも呼ばれます。子供の頃よく野原で見かけたこの花穂を手でつかみ、手を握ったり開いたりすると、だんだんと動いていくので面白がったものです。
意外と日本には古くからあって穀物の粟(アワ)の原種ともされ、粟と共に縄文時代中~終期に渡来したようです。
このようなエノコログサなら良いのですが、ワルナスビはお断りです。
●少し大きな写真と特性などは、右サイドの 野菜とその花の紹介 に載せますの
でそちらもご覧下さい。
●関連の記事が 園芸植物・園芸情報 にもありますので、ご覧ください。
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コメント
プロフユキさん、こんにちは。
ワルナスビ、初めて聞きました。
葉の形は全然違うけど、花はうちの家庭菜園で育てているナスにそっくりで驚きました。
気にしたことがなかったので、これからは犬の散歩のときなど注意して見てみます。
勉強になりました。ありがとうございます^^
投稿: あんず | 2015年8月 6日 (木) 22時36分
こんにちは あんずさん
畑の周辺には結構生えています。ちょっと小ぶりで全体に小さく、
葉の色も薄い黄緑色です。
手で引抜く人も多いのですが、とげも結構あるし、茎や葉がちぎれて
汁が手に付くと危険なんです。
野原だけかと思っていたら、街の真ん中で見かけたので驚きました。
土と共について来たか、たい肥にタネか組織が混じっていたのでしょうね。
投稿: プロフユキ | 2015年8月 7日 (金) 00時18分
我が地域にも以前生えていたことがあります


2~3年で消えてしまいましたが・・・
地下茎で増えるとは知りませんでした
投稿: 里山のプーさん | 2015年8月10日 (月) 11時38分
こんにちは 里山のぷーさん
今年は異常気候で、そちらでは雨の被害はありませんか? 京都では
雨が降らず、農家は大弱りです。
ワルナスビは困った雑草ですが、プーサンの所では丁寧に除草をされた
のでしょうね。雑に引き抜くといっぱい根が残り、かえってたくさんまた
生えてくる厄介者です。
畑地雑草だと思っていたら、街中で見かけたもので驚きました。
投稿: プロフユキ | 2015年8月11日 (火) 20時24分