・イタリア・フレンツェで買った大理石象嵌細工のドゥオーモの絵とカメオ
イタリアのフレンツェはルネッサンスンスの舞台になった大好きな都市で、海外出張の折には可能であれば必ず帰路に、ローマかフィレンツエを寄ることにしたものです。フィレンツエには空港もあり直接飛行機で行けますが、いつだったか帰りに空港に行こうとバスターミナルに行きチケットを確認すると、なんと帰路の空港はフィレンツエではなくてピサ空港になっており慌てたこともありました。
フィレンツ土産のピノッキオの人形やマーブル紙によるペーパーホルダーについては先に紹介しました。先の記事に中でフィレンツエに花咲いた、美術工芸のうちの大理石の象嵌細工を書きました。ウフッツイ美術館の横を通りアルノ川に沿っていくと、ポンテベッキオ橋があります。その古い橋は両側に2階建ての建物があり、宝石店が軒を並べていてウインドーショッピングをする楽しい所です。橋を渡った右側に、大理石の象嵌細工の店があります。そこで買った大理石によるドォーモの風景画を紹介します。店を出て、元の道をそのまままっすぐ行くとピッティ宮殿・ボボリ庭園に行きます。
大理石象嵌とカメオ
フィレンツエのシンボルであるドゥオーモの象嵌細工による風景画と、家人のカメオを紹介します。
カメオ1
カメオもフィレンツェの工芸品の一つで、カメオの素材はメノウ、大理石、貝殻などに花や人物などを浮き彫りにした装飾品・工芸品です。
カメオ2
若い女性の髪が綺麗に編まれており、よく見ると二人描かれています。ブローチの周りの金具にも装飾が施されており、金と銀の花模様がついています。
カメオ3
拡大して見た若い女性の表情や、編んだ髪の毛や髪飾りもくっきりと綺麗に彫られています。
カメオ4
更に拡大して見ましたが、その初々しさ・可憐さは見事に彫られています。
大理石象嵌1
大理石の絵そのものは7.5x10.5cmの小さなものです。その絵がしっかりとした額に入っています。この額はかなり厚く大理石の絵を厚いクッションで保護しています。
絵の主題は花の都フィレンツエを守るドゥオーモ(サンタ・マリア・デル・フィオーレ教会)とその周辺です。
大理石象嵌2
この絵が絵の具で描かれたのではなく、絵の模様ごとに違った色の大理石や貴石などをくり抜き、原図に従ってはめ込まれています。これはフローレンスモザイクとも呼ばれるようで、大理石をベースに板状の貴石を象嵌(ぞうがん)して図柄を描き出す手法で16世紀後半のフィレンツエで発達しました。メディチ家の廟(びょう)は外からは内部の豪華さはうかがえませんが、中に入ると一面カラフルな大理石をはめ込んで描かれた象嵌技法で装飾されています。今まで大理石といえば白だけと思い込んでいた私は、その色鮮やかさの魅入られてしまいました。建物の様子や内部のメディチ家当主の墓石を飾るミケランジェロの見事な像などはまた紹介します。
大理石象嵌ドゥオーモ遠景
もう少し拡大してドゥオーモと鐘楼、それを取り巻く手前の家、塀と糸杉などです。拡大して見て初めて、象嵌細工かと気が付きます。
この象嵌細工には大理石以外にもマラカイト、ラピッツラズリなどの貴石も使われます。日本にもアワビなどの貝を使った螺鈿細工があり、日本人にはおなじみの技法です。
フィレンツェには今もあちこちにその象嵌細工の工房があり、そこで修業した日本人のモザイク製作者yossyさんは今は日本で活躍されています。
大理石象嵌ドゥオーモ
ドゥオーモの屋根を更に拡大して見ました。屋根の白いスジをどうしてはめ込んだのか不思議です。
大理石象嵌ドゥオーモと空
一番不思議なのは、空との色の描きかたです。おそらくそれらの色模様の入った大理石を選んでくり抜いたのでしょうか。
大理石象嵌ドゥオーモと路
手前の道も歩道部分と家の敷地部分を色分けにしてあり、また塀の色も色の異なる石を選んで組み合わせています。
大理石象嵌石塀
左の鮮やかな色はラピッラズリを使っているようです。濃いブル-の色の間に金箔が入ったりします。
●少し大きな写真と特性などは、右サイドの マイコレクション に載せますの
でそちらもご覧下さい。
●関連の記事が マイコレクション にもありますので、ご覧ください。
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コメント
こんにちは(^^)
イタリアの芸術作品ですね。どちらも素晴らしくて、じっくり拝見しました。
カメオの繊細な美しい彫刻には惚れ惚れします。
昔母が持っていたカメオ(日本のデパートで購入・現在所在不明)は、
ここまで繊細ではなかったような。背景のブルーの色も素適ですね。
大理石の象嵌細工というのは初めて知りました。
フローレンスモザイクというのですね。硬い石で下絵通りにパーツを作るのは
かなり難しいと思いますが、小さなものを巧みに作ってありますね。
拡大されたものを拝見して、たしかに象嵌であると分かりました。
素適な芸術作品を見せていただきありがとうございます。
投稿: ポージィ | 2015年5月22日 (金) 15時11分
大理石象嵌は色鮮やかで美しいですね。
本当に石だけで作った作品とは思えない程
カラフルですね。
貴重な芸術作品を見せていただいてありがとうございます。
投稿: momo(petya) | 2015年5月22日 (金) 19時59分
こんにちは ポージィさん
楽しんでいただき幸せです。

イタリアの芸術作品には心をゆさぶられるますね。カメオも大理石の象嵌細工も
洗練されていますね。
カメオは特に女性の装身具として最適の雰囲気を漂わせますね。家人も叔母から

頂いたようですが、お母さんのカメオも出てくるとよいですね。
大理石には本当にあらゆる色があるんですね。ドゥオーモの横の鐘楼の壁一面が
大理石で特に美しく、この絵もつい買ってしまいました。小さなものですが、驚くほどの
色鮮やかさで、大事にしています。
投稿: プロフユキ | 2015年5月22日 (金) 22時28分
こんにちは momoさん
大理石っていろんな色があって綺麗でしょう。
この絵も拡大して見て頂かなければ、とても大理石をくり抜いて
はめ込んでいるとは思えませんからね。
カメオの女性の優しい表情も素敵ですね。髪のひだまで克明に刻んで
彫っているのには感心します。
投稿: プロフユキ | 2015年5月22日 (金) 22時32分
こんにちは♪

カメオですから 大きさは多分、
花mameが思っているくらいのものだと思うのですが
この精巧な彫刻は素晴らしいですね。
象嵌の方も 材料の切り出しなどを考えますと
大変な作業なのだろうなぁと思います。
いつも珍しいものを見せて頂き ありがとうございます
投稿: 花mame | 2015年5月23日 (土) 14時05分
こんにちは 花mameさん
カメオは普通の大きさですよ。でも表面の彫り方というか


とても繊細で驚くばかりです。
接写で拡大しても綺麗なものです。だ保管の仕方悪くて傷が
ありましたが、それは修正しました。
やはり伝統の力で良いものは良いものですね。
大理石の象嵌の方も形に合わせた切り出しは、おっしゃるとおり
大変な作業で、時間のゆっくり過ぎた時代を感じさせますね。
見て喜んで頂き私もうれしいです。
投稿: プロフユキ | 2015年5月23日 (土) 21時05分