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2014年11月25日 (火)

・ミカンのおいしい季節になりましたが、隠れた栄養価をご存知ですか

ナシが終わり、西日本ではミカンのおいしい季節になりました。ミカンは手で簡単に皮がむけるため、リンゴナシより好んで食べられるようです。ミカンのほとんどは温州(うんしゅう)ミカンで、その名前は中国の柑橘産地浙江省(せっこうしょう)温州に由来しますが、九州の鹿児島県発祥とされています。欧米ではサツマオレンジ、あるいはサツママンダリンなどと呼ばれます。

品種改良の結果甘くなり、酸っぱい種類は減ってきましたが、その一方できつくむくと果肉まで破れそうなくらい薄くなってきています。

 

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ミカンの上下

皆さんはミカンを向くときどちらからむきますか。普通にはヘタの付いていない右側の尻側の方がを薄くてむきやすいので、こちらからむいています。なぜかミカンでも、トマトなどでも枝についた状態で下側になる方をと呼んでいます。しかし、本来は尻部と呼ぶ方にはめしべの柱頭がつていた跡が残っており本来は先端側で、反対のヘタ側で枝についていた方が基部側になります。

 

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ミカンの栄養

良く知られているように、ミカンビタミンがたくさん含まれています。この表のように特にカロテンビタミンCが豊富です。後で書きますが、ミカンにはまだまだ栄養が含まれています。

 

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ミカンの皮をむくには?

皆さんはたいてい普通には、お尻の方からをむいています。その方が一見むきやすいようで、実はそうでもないのです。たいてい(外果皮・フラベド)をむいた後、中のコブクロに付いた白い組織を丹念に取っているのではないでしょうか。この白い組織は、内果皮(アルベド)と維管束なのです。特にスジ状の維管束はヘタの方から先端の尻の方に伸びているので、実は逆向きにむいてしまったのです。この繊維状のスジを取るには、逆の方からむいた方が簡単なのです。ミカンの缶詰工場では、基部の方から皮をむいています。

 

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間違い栄養学

食べ物の栄養価を分かり易く書いた本に、ここに紹介しました川島四郎著の「間違い栄養学」があります。この本で川島ミカンを食べる時には、中身だけでなくフクロタネまで全部食べると書いています。残すのは小さな緑色のヘタだけです。ミカンの重さは四分六で、が四でが六の割合です。しかしビタミンの含有量となると全く逆で、には40㎎しかありませんが、には150㎎もあるのです。

またミカンの皮は外に向けて重ねて折ると、ピチピチと汁が勢いよく飛び出しますが、これはテレピン油が2%含まれているからです。テレピン油は血管に沈着するコレストロールを減らし、血管の流れをよくしてくれます。

 しかしをそのまま食べるのはなかなか食べにくいので、ママレードとして利用すれば、その栄養を十分吸収できるでしょう。我が家では家人が、キンカンオレンジなどのママレードにして活用しています。

 

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右近の橘

御所紫宸殿にならい、神社本殿前には右近の橘左近の桜が普通には植えられています。この写真は平野神社の本殿に向かって左側に植えられている、右近の橘を示しています。これはその昔奈良時代ではには青物がなくなり、山野草を摘むだけでしたが、柑橘タチバナが実るとビタミンの補給になり、当時の宮中では起死回生の妙薬だったことを反映しているのでしょう。

 

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ミカンのコブクロ

先にこの写真のように、コブクロの周りにはたくさんの白いスジがあることを書きました。私は以前からこのスジを取らないで、フクロごと食べていました。このスジコブクロには食物繊維があるからで、それを摂っているつもりでしたが、それ以外にも重要な栄養価・ビタミンPが含まれています。

 

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食べ物さん、ありがとう

この本も川島四郎著の「食べ物さん、ありがとう」です。この本で川島は、ビタミンP動脈の末端と静脈の末端で血液受け渡しを円滑にする役割のあることを書いています。が不足すると血液受け渡しがうまくいかず、血行が悪くなて冷えやすくなったり、心臓に負担がかかって高血圧血管障害のあることを書いています。

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ビタミンP

ビタミンP効用の図解です。冬に冷えやすい人は、せめてこのスジはとらないでそのまま食べましょう。

 

 

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小袋

コブクロの中にはサジョウと呼ばれる、黄色の果肉部があります。スジと一緒にこのフクロも食べれば、食物繊維の補給になります。農耕民族である私たちは長い腸を持ち、十分な食物繊維がなければ消化吸収が円滑に進まず、直腸ガンなど種々の障害を起こし易くなります。

 

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小袋の中身

コフクロの中にはたくさんのサジョウが発達し、豊富な果汁を含んでいます。簡単に食べられ栄養価の高いミカンは、1日に23食べればビタミン補給は十分でしょう。

 

 少し大きな写真特性などは、右サイドの 果物と樹木の紹介 載せますのでそちらもご覧下さい


関連記事が 園芸植物・園芸情報 にもありますので、ご覧ください。 

 

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コメント

こんにちは(^^♪
はなのいろ地方はみかんの産地ですが、
食べ方については
最近になってようやくフクロやスジも食べた方が良いということを知りました。
子供の頃はスジまでキレイに取って食べるのが正しいとばかり思っていました。
ミカンの皮もママレードにすればよいのですね、試してみます。
いつもながらお勉強になりました、ありがとうございます

投稿: はなのいろ | 2014年11月25日 (火) 11時43分

こんばんは はなのいろ さん 

そうでしたね! 和歌山はいろんなミカンの品種もある大産地ですね。

日本人は潔癖で綺麗好きな人が多いので、あのスジはたいていの人が
丹念に取っていますね。
話の方に気が行って無意識で取っていることもありますし

最近はハルミ、デコポン、ミコホール、三宝柑などいろいろ美味しい
ミカンの種類が増えて楽しみですね。

皮はママレードにもいいですし、お風呂に入れても暖まりますよ。

投稿: プロフユキ | 2014年11月25日 (火) 22時14分

こんにちは♪
 
みかんの季節ですねえ。
昨シーズンから愛媛真穴のみかんが お気に入りです (o^-^o)
採れる場所によって 栄養価が違うと言うことはないのでしょうかね。
 
剥くのはヘタの方からで 白い筋は取ったことがなく
そのまま食べていますよ (o^-^o)
 
毎年 皮は ネギ虫退治の為に乾燥させて保存しています。
皮を食に使う場合、塩でこするとか 洗い方と言うのはありますか?

投稿: 花mame | 2014年11月28日 (金) 16時06分

こんばんは 花mameさん 

本当にミカンのおいしい季節になり毎日手が黄色くなるくらい食べています。

産地によっても違うし、潮風にあたる所では甘いミカンができると聞きますよ。
それと産地で聞くと、まだ早くてやや酸っぱいミカンは時々もんで柔らかく
してやると甘くなります、これ本当です。実践していますから。

食べ方は、花mameさんは満点です。

乾燥した皮はネギ虫退治に聞きますか、良いことを聞きました。

汚れた皮はお米のとぎ汁にしばらくつけると汚れが落ちやすくなり、
キッチンペーパーかふきんでやさしく拭き、水洗いすると綺麗になります。

ワックスや農薬が気になる場合には、軽く重曹を入れて茹でこぼすと除けるそうです。

投稿: プロフユキ | 2014年11月29日 (土) 17時32分

こんにちは♪
 
お答え ありがとうございます!
みかんは その土地の様子で変わって来るのですね。
酸っぱいものは もんで柔らかく、ですね (o^-^o)
 
そういえば、子どもの頃、少し硬いみかんは
お手玉をして柔らかくしてから 食べたのを 今 思い出しました。
きっと 甘くなっていたのでしょうね。
 
皮の洗い方、とても参考になりました。
ありがとうございます!!

投稿: 花mame | 2014年12月 2日 (火) 15時55分

こんにちは 花mameさん 

ミカンをもむと軟らかくなるのは愛媛のミカン農家の人に聞きました。
知らず知らずそうやっている人も多いかもしれませんね。

子供の頃はミカンは結構貴重品でしたし、お歳暮にも使いましたが、
今は安くなりましたね。
海外にも輸出できるとよいのですが。

はーい、ぜひママレードなどにして活用ください。

投稿: プロフユキ | 2014年12月 4日 (木) 00時05分

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