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2014年11月 5日 (水)

・イチョウの木の雌雄は、下方の枝の角度で判別できます

先に秋の訪れとして、ザクロの実がはじけた様子を先に紹介しました。その折に烏丸・紫明通りのイチョウについて雌雄性を観察していることを書きましたが、一定の傾向があるので紹介します。イチョウは動物のように、株別に雌雄性があり雌株と雄株に分かれます。

 イチョウはヨーロッパではあまり見かけませんがそれは細菌によって死滅した後に、1693年に長崎に来ていたケンペルにより持ち帰られたものからだけ広がったためです。イギリスでお世話になったシュワーベ先生も、庭に植えられた小さなイチョウを自慢していたことを思い出します。


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イチョウの雌雄株とギンナン

生きた化石と呼ばれるくらい古い植物であるイチョウは裸子植物で、タネになる胚珠が裸状態で花の中にあります。は4~5月頃に咲き、雄株から花粉が飛散して1㎞くらい離れていても雌株に届けば、雌株にある胚珠花粉室に蓄えられます。

面白いことにすぐに受精は起こらず、そのまま胚珠も花粉も4か月くらい生長して、9~10月頃にやっと受精が起こります。だから受精しなくてもギンナンの実は肥大して食用になります。雌株1本でもギンナンがなるのはこのように花粉がなくても肥大する性質(単為結果性)があるのと、1㎞くらい離れていても花粉が飛散してくるからです。

 

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ギンナン

 

一方、成熟した花粉からは数個の精子花粉室の中を泳いで、胚珠に入り受精します。このようにイチョウには植物にめずらしい精子があることを、1889年に日本人・平瀬作五郎により発見されています。

ギンナン果肉に相当する部分には酪酸とヘプタン酸があり異臭を放ち、またギンコール酸があるため漆のようなかぶれをおこします。果肉の下のかたい殻を割った中に、薄い渋皮に包まれた胚乳がありこれが可食部になります。大人は多少食べても問題はありませんが、子供がたくさん食べると食中毒を起こすことは先に紹介しました。

 

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雌株1

 イチョウ雌雄性は幼木では難しく、10数年たった木につくの形状を調べて、雌花雄花かを判定するしかありません。しかし結果年齢に達した株では、枝の形状を見ることで雌雄性の推定ができるのではとされています。京都府立大学構内の1株には、毎年ギンナンがつくため雌株であることを確認していました。その株について下方角度を調べてみたところ、赤矢印で示したように水平に近い角度でした。一方、上方2本は白矢印で示したように、明らかに水平よりは鋭角に着いていました。

 

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雌株2

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雌株3

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雌株4

 このようにこれらの烏丸・紫明通り3株についても、下方はほぼ水平についていますが、上方はもっと鋭角についていました。このように雌株下方水平に着くことは、ギンナンの重みで傾いた可能性もありますが、それよりは水平が伸びている方が、飛散してきた花粉を集めやすい利点があるようです。また上方若い枝に比べ、成熟した下方の方がたくさんの雌花をつけるため、この傾向が強まるのでしょう。

 雌株ではこのように多数のギンナンがつきますが、異臭がすることから嫌われる場合もあります。最近では雄株穂木を接いで、雄株だけにしてギンナンが着くのを防ぐことも増えたようですが、これでは風情はなくなってしまいます。

 

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雄株1

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雄株2 

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雄株3

烏丸・紫明通りで見た雄株について、枝の角度を観察しました。これら3株とも、下方の枝も上方の枝もともに白矢印で示しましたように、明らかに鋭角で立ったような角度でついています。

 雄株でこのように枝が鋭角で着くのは、枝が上方に高く伸びることで風に乗って花粉がより遠くに飛散できるからでしょう。

 

少し大きな写真特性などは、右サイドの 野菜とその花の紹介 載せますのでそちらもご覧下さい


関連記事が 園芸植物・園芸情報 にもありますので、ご覧ください。 


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コメント

こんにちは♪
 
イチョウは大好きな樹ですが、今日は知らなかったことを
色々教えていただきました。
ヨーロッパで細菌により死滅してしまったことも以外でしたし
(生きた化石といわれるほど古くからある樹なので色々な意味で
 強いと思い込んでいました)、
雌雄株で枝の付き方に違いがあるというのも、理由共々なるほど!と
納得のお話で面白く拝見しました。
身近に、このように自然に育った樹形のイチョウを見られないのが
残念ですが、機会があったら枝の付き方に注目して見てみたいです。

投稿: ポージィ | 2014年11月 7日 (金) 14時37分

こんにちは ポージィさん 

日本生まれのイチョウが長崎からケンぺルによりオランダ、ドイツの植物園に植えられ、
それからヨーロッパ中に広がったというだけで面白いですね。

オランダのライデンにはシーボールト植物園があり、たくさんの日本の植物が植えられて
いました。そんな中からハイドランジヤやカメリアなどが、改良されて日本にも逆輸入
されています。日本人の手でしたかったですが。 

ぜひイチョウを見かけたら、枝着きを見てください。葉の切れ目での区別は
分からなかったです。

投稿: プロフユキ | 2014年11月 7日 (金) 19時02分

こんばんは☆
 
なるほど!
枝の付き方での 雌雄の見分け方、
そういえば、我が街の街路樹は ギンナンの香り(笑)がありませんし
クリスマスツリーのように 枝が上を向いています。
これからは そんなことに気を付けて 見てみたいと思いました。
 
お写真では まだ少し緑が濃い気がしますが
御地での 今のイチョウの色づき具合はいかがでしょうね (o^-^o)

投稿: 花mame | 2014年11月 9日 (日) 16時59分

こんばんは。
イチョウの樹に雌雄があって、その枝の付き方も違うなんて、知らなかった事ばかりです。
近くのお店の駐車場にイチョウの樹が植えてあって、以前ギンナンが沢山ついていたので、今度、枝の付き方を確認してみます。
勉強になりました。ありがとうございました~

投稿: ポエポエ | 2014年11月 9日 (日) 22時35分

こんばんは 花mame さん

京都の通りでもギンナンの落ちているイチョウ通りと、またくギンナンの落ちていない
通りがあり、意識的に雄株を植えているようです。

そんなにギンナンの香りを嫌わないでもいいのにと思いますが、食べ物屋さんにとっては
迷惑でしょうが。
たぶん枝着きの角度で雄雌の区別はつくと思います。 

京都ではイチョウの黄葉はこれからで、ちょっと例年より遅れているようです。
ハナミズキや桜は紅葉してきました。

投稿: プロフユキ | 2014年11月10日 (月) 18時26分

こんばんは ポエポエさん 

いくつかの花の木には雌雄の区別があって、オリーブみたいに実の
着かないで驚くことがあります。

古いイチョウ並木では半分ぐらいが雌の木で、ギンナンもたっぷり
落ちていて、大阪の御堂筋でも風物詩になっていますね。

近くのイチョウの木でぜひとも、下の方の枝の角度で雌雄の区別を
してみてください。たぶん大丈夫です。 

投稿: プロフユキ | 2014年11月10日 (月) 18時33分

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