・オンシジウムの花の優雅な舞姿を詳しく観察してみました!
タイで買ったミニチュアランの花の模型で示したように、ランの花は優雅な形をしたものが多いのですが、デンドロビウム、ファレノプシス の花は先に紹介しました。中でもオンシジウムは優雅な舞姿のようなことを先に書きました。今年も窓際のオンシジウムが咲いてきてくれました。先日詳しく観察する機会があり、レンズからのぞいてみましたが、見れば見るほど複雑な形をしていますので紹介します。
オンシジウム
草姿
オンシジウム全体の草姿です。花茎が1本伸びてきて、数輪のつぼみがあり、基部の花2輪が咲いています。株の基部には気根が旺盛に伸びていて、空気中の水分を吸収しています。 数本のシュートが伸び、これらのシュートは光合成をして養分を蓄えています。右の方に古い偽鱗茎(バルブ)が見えます。
花序と花
手を挙げ、スカートを翻したような花が2輪咲いています。その先には6個くらいのつぼみと、下には枝分れした花序が見えます。幾つつぼみができるか楽しみです。
花の形態
単子葉植物のランでは、花弁や萼片の基本数は3になります。手を広げた2枚は側(花)弁で、もう1枚のスカートを翻しているように見える花弁は舌状で、大型化していて唇弁と呼ばれます。唇弁の付け根あたりに、おしべとめしべの合体したずい柱が見えます。
花の各器官名
この図から上の写真で側(花)弁の上にあるのは花弁でなく、萼片の1枚である背萼片と分かります。
花の後ろ姿
先の図で見えなかったもう2枚の萼片は、花の後ろから見ると観察されました。2枚の萼片は合体していて合萼片と呼ばれます。この3枚の萼片にも、また側(花)弁にも、共通した数本の赤茶色の模様の筋が見えます。
唇弁とカルス
唇弁の基部には托葉のように変形したふくらみがあり、中央には赤茶色の模様があり、その上側にはカルスと呼ばれる突起があり、そこにも赤茶色の模様が複雑に描かれています。
唇弁
唇弁の膨らんだ先端部を拡大してみましたが、葉脈状の何本もの筋が見えます。花弁や萼片も、花が分化する際に葉が変形してできた器官で、花葉と呼ばれます。唇弁に見られるこの何本もの筋も葉脈と思われ、花葉であることが納得されます。
おしべとめしべ
側(花)弁と唇弁が繋がったその上に、おしべとめしべの合体したずい柱があります。ずい柱も複雑な形をしていて、丸いくぼみ状になったのが柱頭で、その上には丸い葯帽が見えます。この薬帽を取ると下に花粉塊があります。
おしべとめしべの各器官名
この図を見て初めて、上の写真のおしべとめしべの複雑な変形がわかってきます。
横から見た蕾
開花前のつぼみを、横から見たところです。背萼片と合萼片に加え、側(花)弁に共通して赤茶色の模様があることが良くわかります。その中に折りたたまれた唇弁が伸び出そうとしています。
●少し大きな写真と特性などは、右サイドの 観賞植物の紹介 に載せますのでそちらもご覧下さい。
●関連の記事が 園芸植物・園芸情報 にもありますので、ご覧ください。
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