・日本人を元気付ける国際成人力調査結果が、国連(OECD)から発表されました
最近の国際ニュースは隣国のやっかみにも似た中傷記事が多い中、昨年10月に発表されたOECD(経済協力開発機構)による成人力調査結果は世界各国の中でも日本の高い得点を示すものでした。調査は平成23年8月から翌年2月にかけて実施されました。
ゆとり教育を受けた16から24歳の若年層にくらべ、25~65歳の成人の能力は高くて、ゆとり教育以前の日本の教育が間違っていなかったことを示し、また日本の成人が社会に出ても適応能力の高いことを示すものでした。地下資源を持たない日本にとって教育こそが日本産業の源であり、国際社会に出る日本の人的資源をそだてる重要なものです。
新聞報道では不十分なこともありインターネットで調べてみると、国際成人力調査(PIAAC) 調査結果の概要 が文科省のホームページにあり、その概要を見ました。
国際成人力調査結果の分野別順位(抜粋)
数的思考力の各国比較
年代別で比較すると、日本の中高年層は他国を大きく上回る一方、ゆとり教育を受けた若年層では差が小さくなっていました。数的思考力の各国比較で見ますと35歳以上はトップになっていますが、25~34歳は2位、16~24歳は3位と順位を下げています。
それと海外では44歳に比べ、55から65歳になると得点の低下が著しいが、日本では低下は緩やかな特徴があり社会的学習を続けていると考えられます。
数的思考力の習熟度レベル分布(日本とOECD比較)
日本の数的思考力に関しては読解力と同様に、レベル3・4の者の割合が参加国中最も多い一方、レベル2の者の割合も2番目に少なく、レベル1以下(レベル1、レベル1未満)の者の割合は最も少なくなっています。レベル5の割合は6番目に多く、参加国中上位になっています。
ITを活用した問題解決能力の平均点分布
今回の調査はIT化が進む社会経済を考慮し、原則としてパソコンを使って行われましたが、日本の調査対象者の4割近くがパソコンを使えないなどの理由で筆記を回答したため、IT教育が十分とはいえない日本の弱点を明らかにした。そのため後で示すようにレベル2・3の成人の割合OECDの平均を上回るものの10位でした。
しかし、コンピュータ調査を受けた者の平均得点でみると、この図のように日本はOECDの平均を大きく上回り、参加国中第1位となっています。
数的思考力と年齢の関係(OECDと日本比較)
日本では読解力、数的思考力、ITを利用した問題解決能力のいずれに関しても、ほとんどの年齢でOECD平均を上回り、更に他国に比べ加齢にもかかわらず成人では高い水準を維持しています。
国際成人力調査結果の分野別順位
日本は「読解力」と「数的思考力」の平均得点が、参加した24の国と地域のうちトップを占めています。20の国と地域が参加した「情報技術(IT)を活用した問題解決能力」はパソコンでなく筆答した人の点をカウントしていないので、基準の得点を超えた割合が35%で10位でした。しかし、コンピュータ調査を受けた者の平均得点では2位のフィンランドをかなり上回り1位を占めている。
学歴別の読解力の習熟度分布(米国、ドイツと日本の比較)
学歴別に米国、ドイツと日本の間で読解力を比較すると中学校卒、高校卒、大学卒にかかわらず、日本が1位を占めている。興味深いのは日本の中学校卒業者の読解力が米国・ドイツの高校卒業者より高いこと、更に日本の高校卒業者の読解力が米国・ドイツの大学卒業者に近いことです。つまり日本人全体として、学歴にかかわらず読解力の高いことが示されました。
読解力と賃金との関係
どの国においても読解力レベルの高いほど高収入を得ていますが、残念なことはどのレベルにおいてもOECDに比べて日本の収入の方が低いことです。
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●関連の記事が 随 想 にもありますので、ご覧ください。
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コメント
プロフユキさん、お久しぶりです。
このたび、私のブログを閉じることにしました。
今まで楽しい交流をどうもありがとうございました。
また時間がとれる時には、こちらへお邪魔させて
いただきたいと思っています。
プロフユキさんがますますお元気で、充実した
楽しい毎日を送ることができるようお祈りしております
投稿: hanano | 2014年1月30日 (木) 18時58分
今日は hananoさん
お忙しくしておられるんだろうなと思っておりました。
まだまだあれもこれもやりたいときでしょうから、それに専念することは
長い一生では大事でしょうね。しばらく記事を拝見できなくなるのは残念
ですが、またいつの日か、コメントが届くのを楽しみにしています。
当方は仕事の量も減らしてきて時間ができてきていますが、元気にブログが
書けるようがんばりたいと思っています。
hananoさんがますます充実した日々をおくられるよう念じております。
ツアイチェン、アウフビーダーゼーン
投稿: プロフユキ | 2014年1月30日 (木) 21時03分