・ホトトギスやムラサキシキブに負けじと桜も開花しています
以前紹介しました黄檗山萬福寺での奉納演舞があり、今年も参加しました。いつものごとく午前中には塔頭の一つ宝善院で和尚手作りの普茶料理を頂き、秋の味を堪能させてもらいました。普茶料理は驚くほど手がかかったもので、先にその料理を紹介しましたが、いつものようにこの素材は何だろうかと新しい発見があります。料理を待つ間お庭を拝見していましたが、今年もホトトギスが鮮やかにその優雅な姿で咲いていました。
ここにはこのホトトギスと萬福寺でたまたま見かけたサクラの開花、それに紫色に色づいてきたムラサキシキブとオシロイバナを紹介します。
サクラの花/萬福寺
ホトトギス
これは宝善院の庭園に咲いていたホトトギスです。ユリ科ホトトギス属の多年生草本です。東アジアに19種が分布していて、そのうち日本の10種が日本固有種であることから、日本原産とされています。山野の木の下など日陰を好んで咲いています。
ホトトギスの花
初夏から秋にかけて赤紫色の斑の入った花を、上向きに多数つけます。花弁とガクが同形で花被として6枚あり、おしべは5本、めしべの先端の柱頭は3本に分かれそれぞれが更に縦に裂けて大きく広がっています。
ムラサキシキブ
これは丹波の八百一の郷の庭園に咲いていたムラサキシキブです。クマツヅラ科の落葉低木で、日本各地の林地に自生しています。6月頃淡紫色の花が咲き、秋に実が熟すると鮮やかな紫色になります。
ムラサキシキブの実
果実の直径は3mmの球形で、栽培種には白色のものもあります。名前の由来は、この植物はもともとムラサキシキミと呼ばれていましたが、紫式部の名前にちなみムラサキシキブと名付けられたようです。
サクラの木/萬福寺
今年は10月になっても季節はずれの暑さが続き、東京を含む5都府県でサクラ(ソメイヨシノ)の開花が確認されました。開花した木ではいずれも夏以降の葉の落ち方が激しかったようで、その後秋の冷え込みが来たものの、また暑くなったため春が来たと錯覚して咲いたものと思われます。
サクラの花
サクラの花
例年冬の小春日和に咲くことはありますが、その木は生育の弱った古木が多く、今年の開花の様子とはちょっと異なるようです。
オシロイバナ
オシロイバナ科の1年生草で、広く野生化もしています。これはマンション前に咲いていたオシロイバナです。花は赤色、白色、黄色などがあります。夕化粧の別名があるように、夕方開花して芳香があります。花は日中しぼみますが、秋になると昼間でも咲いているようです。先にブーゲンビレリアの花の特徴を紹介しましたが、このブーゲンビレアも同じオシロイバナ科で共に花弁はなくて、花弁のように見えるのはガクで、基部は緑色でふくらんでいます。
オシロイバナの花
咲き終わった後にガクの基部に包まれて黒色のタネ(果実)が一つできます。タネには粉状の胚乳があり、そのためオシロイバナと呼ばれるようになりました。子供の頃にはよく花を引き抜いて、吹いて遊んだ覚えがあります。花をタネから少し引き抜き、落下傘のようにしても遊べます。
●少し大きな写真と特性などは、右サイドの 観賞植物の紹介 に載せますのでそちらもご覧下さい。
●関連の記事が 園芸植物・園芸情報 にもありますので、ご覧ください。
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コメント
今年、ホトトギスは山の中で何度も見かけて、見るたびに不思議な花の形だなあ~と思っていましたが、ユキさんのお蔭で、ちょっとだけ花を理解した気持ちになりました。
あの長いのは柱頭だったのですね~
花が二段重ねになってると思ってましたあ~(恥)
それにしても、、、、柱頭だなんて、、、小学校の理科の時から。。。高校の生物の授業以来。。聞くこともなかった言葉だなあ~なんて思っちゃいました。
投稿: 野花 | 2013年10月25日 (金) 14時39分
今晩は 野花さん
ホトトギスは本当に複雑な形をしていますね。
何も考えずに写真を撮っていましたが、後で一つの花を見ようとすると中々
全部にピントがあったのがないのですね。それだけいろんな器官が出て
いるんで驚きです。
めしべの先の柱頭が三つに分かれ、それが更に2つに分かれてそりかえって
いるので、誰でも2段重ねの花と思いますね。
おまけにチューリップみたいに花弁とガクが同じで6枚もあり、それが柱頭
とは逆に上に向いていますますからね。
投稿: プロフユキ | 2013年10月25日 (金) 20時21分