・バナナの果実をつける植物は、草(草本)か木(木本)のどちらか分かりますか?
バナナは日本人の好きな果物ですが、子供の頃は台湾やフィリピンからたくさん輸入されていました。今でもありますが、小型のモンキーバナナは、とても甘い品種でした。これだけ良く食べられるようになったのは栄養価が高く、値段もそれほど変わらず、むしろ安くなっているからでしょうか。それと食べやすいのは、種無しの果実であるためと思います。タイでもケニアでも野生のバナナをよく見かけましたが、それらの果実は小さく、中にはタネが一杯入っていて、食べるところほとんどありませんでした。いつの頃か分かりませんが自然に3倍体のバナナができ、これでは減数分裂が正常に進まず不稔になり、タネなし果実が肥大します。
植物
普通のこように3本くらいの偽茎が2~3mほど伸び、40数枚の葉が出た後に花房が伸びてきます。花房が肥大した後に偽茎は枯れますが、また株元から3本くらいの吸枝が伸びて、次の年にはまた花房をつけます。
単為結果
バナナはバショウ科で、熱帯アジア原産の多年草です。単子葉植物で、葉の基部の葉鞘が見かけ上の茎を取り囲んでいて、偽茎と呼ばれます。そこでバナナは木でなく草に着く果実ですので、スイカやメロンと同様に果実的野菜ということになります。
バナナの花
バナナの花は偽茎の先端から出て、やがて下に向かってぶら下がるようになります。
バナナの花(拡大)
バナナの幼果
花序は1本の果軸に複数に着き、それぞれが赤い包葉に囲まれて発達して果房になります。果房は数段から十数段着き、各果房には10本から20本の果実が着きます。
バナナの長い花房
花房は1枚の赤色の包葉に包まれていて発達し、いわゆるバナナの果実になります。いかにたくさんの果実が、1本のバナナの偽茎できるか驚くでしょう。
バナナの長い花房(拡大)
品種にもよりますがたくさんの花房が着く種類では、このように長い花茎が伸びてたくさんの果実が着いています。
バナナの房
こんなバナナの房が、数段から十数段着いています。私達は生食しますが、現地の人は煮炊きする品種を栽培しており、それらを料理に使っています。
バナナの花
タイではこのような若い花を、スライスでサラダにして食べます。少し苦味がありますが、いろんなドレッシングをかけて食べるようです。
●少し大きな写真と特性などは、右サイドの 果物と樹木の紹介 に載せますのでそちらもご覧下さい。
●関連の記事が 園芸植物・園芸情報 にもありますので、ご覧ください。
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コメント
おはようございます。
バナナって草だったんですね。バショウ科ときいて、なんとなく、納得です。
それにしてもたくさんの実がつくんですね。実がすごく重そうですけれど、偽茎などが折れないとは、すごいです。
投稿: きいろひわ | 2013年8月 5日 (月) 04時46分
今晩は きいろひわさん
芭蕉は庭木でお馴染みですが、バナナも同じで草本なのです。
ちょっと意外ですが。
それと1株に3本偽茎が伸び、それぞれに20房くらいのバナナを
着けますから、生産性は高いです。
房が重くなるに連れ、花穂は重くて下に垂れてきますね。これと
パパイヤがあれば、食べ物には困らないようですよ。
投稿: プロフユキ | 2013年8月 5日 (月) 21時22分
長い花房のバナナが面白いですね。先生のブログじゃなかったら、画像加工かと思ってしまいそうです。
私の家にもバナナが30株ほどあります。大きな株の傍に小さいのがタケノコみたいにひょこひょこ出てくるのが面白いです。ちょうど2株が数ヶ月前に開花して実が肥大しつつあるのですが、なかなか熟しません。昨年秋に開花した株は冬を挟んで収穫まで、確か半年近く掛かっていました。
上のコメントにもありますが、開花後は偽茎が重くて傾いてくるので、うちでは丸太でつっかえ棒を何本かしています。
投稿: わさんぼん | 2013年9月 2日 (月) 20時08分
今晩は わさんぼんさん
バナナは人類にとって役に立つとってもありがたい植物ですね。タイや
台湾でもインドネシアでも、良く見ました。
そうですね、あの写真の花穂は異常に長くて立派でした。
やはりつっかい棒をしないと重みが増してくると、折れてしまうの
でしょう。インドでもあるんですね、ちょっと意外な気がしましたが、
古い作物ですからね。
投稿: プロフユキ | 2013年9月 3日 (火) 22時40分