・アール・ヌーヴォーの画家ミュシャの展覧会に行ってきました
全国各地でミュシャ展が今開催されており、京都でも京都駅の伊勢丹内にある美術館「えき」で3月一杯開催されています。先日滋賀に行った帰り、丁度時間があったので美術展をのぞいてみました。
アルフォンス・ミュシャは1860年当時オーストリア帝国の支配下にあった南モラヴィア地方(現在のチェコ)で生まれました。ウイーン、ミュンヘンで美術を学んだ後、 19世紀終わりから20世紀初頭にかけての「古きヨーロッパ」を彷彿とさせるアール・ヌーボーの画家、装飾芸術家としてパリで活躍します。ウイーンといえば同時代のクリムトを思い出しますが、共に女性美を独特の描き方で表現しています。ミュシャの作品は優美な女性像、花や植物をモチーフとした叙情的な曲線、文様に特徴があります。
パリで成功を収めた後、オーストリー帝国の崩壊に伴い独立を果たしたチェコスロバキアに戻り、祖国のためにほとんど無償で紙幣、切手、国章などのデザイン・装飾を引き受けます。
1900年のパリ万国博覧会の公式晩餐会招待状として作成されたリトグラフです。
オー・カルチェ・ラタン誌特別版の表紙として作成されたリトグラフです。
チェコ帰郷の翌年の制作で、冊子の挿絵・ヒヤシンス姫。ヒヤシンス姫が身に着ける衣服はミュシャの故郷であるスラヴ風の様式が色濃く反映され、さらに頭部には赤いヒヤシンスの花の飾りが付けられた髪飾り描かれています。リトグラフで、冊子の挿絵です。
コメディー・フランセーズのマダム・アメルん語るアイユールの歌(部分)で、リトグラフです。
パリの舞台女優、サラ・ベルナールのポスター[椿姫](リトグラフ)。白い椿を好んだことから人々に椿姫と呼ばれるようになったマルグリットにちなみ、白い椿を描いています。白い椿の花のイメージに合わせた衣装の色彩の変化が見事です。
スラヴィア銀行のポスターで、リトグラフです。
パリから祖国チェコに戻り、ミュシャが手がけたのが18年がかりの大作「スラヴ叙事詩」です。その完成を記念して、1928年に開かれた展覧会のためのポスターで、リトグラフです。
舞台女優サラ・ベルナールの芝居のために作成した「ジスモンダ」のポスター(リトグラフ)。当時無名の挿絵画家だったミュシャはこの作品で大好評を博し、出世作となりこの後彼女のためにポスターをたくさん製作します。
室内装飾品アルバム・ビザンチンの「花に囲まれた女性」で、「花に囲まれた赤毛の女性」とセットになっています。ビザンチン風の髪飾りをつけた女性が、花に囲まれています。
●少し大きな写真と特性などは、右サイドの その他の写真 に載せますのでそちらもご覧下さい。
●関連の記事が 随 想 にもありますので、ご覧ください。
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コメント
プロフユキさん、こんにちは ♪
ミュシャの絵、なぜか好きなんです。
初めて何かで見たとき グッと心惹かれて…
それは当時のパリの人々も同じだったのですね。
久し振りにたくさん見られて嬉しかったです。
ありがとうございます。
生涯を通じて祖国を愛し続けた方でしたね。
投稿: ポージィ | 2013年3月13日 (水) 12時24分
今晩は ポージィさん
ミュシャの絵は可愛くて何か惹かれるものがありますね。新聞で記事を見て
直ぐ行こうと決めていました。
どの絵も素晴らしくて女性の優美さをたくさんの花を使って、描いていますね。
クリムトの絵もそうですが女性の持つ美を上手く表現されていて、どちらも男性
なのにまた驚きます。
ミュシャは愛国的活動が災いして、侵攻してきたドイツのナチの尋問を受け
苦労さたようですね。
投稿: プロフユキ | 2013年3月13日 (水) 18時25分
こんばんは
クリムト、ミュシャ、どちらも昔から大好きでした。
クリムトの絵は怪しげな、ミステリアスな魅力がありますが
ミュシャの絵には植物や星が散りばめられていたり、
とても綺麗で女性的な可愛らしさがありますね。
私もこの展示会、近くだったら行きたかったです
投稿: ひとみ | 2013年3月14日 (木) 23時48分
今晩は ひとみさん
クリムトにもミュシャにも皆なにか惹かれるものがありますね。
確かにクリムトには妖艶な雰囲気が漂いますが、その点ミュシャは
可愛い花に縁取られた絵が多いですね。
ビザンチンなど何か東洋風の図柄も多いですね。故郷モラヴィアの
イメージなんでしょうか。
今あちこちでやっているようですよ、ひょっとすると近くでもやっている
かもしれませんよ。
投稿: プロフユキ | 2013年3月15日 (金) 22時55分
何ともいえない独特な色合いと優しさで、
女性の美しさが描かれていますね。
素敵です。
プロフユキさんの好みのような感じがします
投稿: もみじ | 2013年3月16日 (土) 23時45分
今日は もみじさん
女性の持つ優雅さを、色々の花解き見合わせた素敵な絵ですね。
挿し絵やポスターが多かったためか、とても華やかで淡い彩りがいいですね。
ミロのビーナスみたいなたくましい女性美と違った、何か東洋風の美の
世界を感じさせてくれます。
投稿: プロフユキ | 2013年3月17日 (日) 14時24分
こんにちは。
ミュシャの絵、素敵ですね。昔、ポスターが買えなくて、絵葉書を集めました。いくら見ていても見飽きませんね…
そういえば、こちらでゼラーズという総合量販店が閉店するということで、昨日、閉店セールに行ってきました。(もともと15カナダドルくらいだった)ミュシャのジグゾーパズルが結局1ドル以下で購入できました。うれしかったです。
投稿: Traduction JPQC | 2013年3月18日 (月) 09時06分
今日は Traduction JPQC さん
いつもケベックからの便りを読ませてもらっています。カナダには
まだ行った事がないので興味深いです。
ミュシャの絵はとてもいいですね、どれもじっくり隅まで見ると色々
発見がありそうですね。
そうですか、ジグソーパズルにもなっているのですね。いっぺん
お店をのぞいてみます。でも1ドルではとても買えないでしょうが。
良い買い物をされましたね。
投稿: プロフユキ | 2013年3月18日 (月) 21時17分