・今年も元離宮・二条城での菊花展に行ってきました
今年も北山杉で組まれた屋形に、出品作品が並べられ11月6日に審査が行われ、11日に表彰式が行われました。
徳川幕府の権威を示す長大な大手門は、石垣と石垣の間に渡櫓を渡した櫓門で、その棟には鯱が飾られています。
入って直ぐ右には二条在番と呼ばれる警備をする武士の詰め所があり、番所と呼ばれます。菊花展の開かれている二条城お城まつりの間には、この番所に小菊の仕立て物が飾られ、上場者の目を引いています。
これは小菊の扇仕立てです。赤色と白色のたくさんの小菊が揃って見事に咲いていますが、これは二株ではなく違う色の菊が接木されています。
これは小菊の孔雀仕立てです。これには赤色、白色と黄色の3色の小菊が揃って見事に咲いていますが、これも接木されています。
これは入賞作品の一つですが、見事に審査基準をクリアしています。今年は桂高校での農産物品評会の記事にも書きましたが、ショウガやサトイモの花が咲く異常に暑い年でした。しかし丹精込めて育てられ、高さ・開花程度の揃いも非常に良い出来ばえでした。
これは厚物・黄色の花です。このような厚物と呼ばれる和菊は日本独特の花で、中央が天、左が地で右が人の花と呼びます。天地人の高さはほぼ同じですが、天は地よりやや高く、人は地よりやや低くなるよう育てます。
これは厚物・赤色の花です。これら厚物の花弁のように見える一つ一つが一つの花で、舌状花と呼ばれる花で、中央にはまれに筒状花がありますが、普通にはこれが出ないように育てます。舌状花・筒状花については、シュンギクの花で説明しました。
これは厚物・白色の花です。一つの蕾にたくさんの花がありますが、特に白色の蕾では高温では日焼けしやすく、低温では赤味が出やすく、管理に苦労します。
これは管物・赤色の花です。たくさんの細い管状の花を放射状に綺麗に伸ばさせます。この管物には伊勢菊や嵯峨菊があり、日本で発達した和菊です。
これは管物・白色の花です。中央部がやや黄味を帯びています。
これは管物・黄色の花です。中央部がやや赤味を帯びています。
二条城は堀川通りに面していますが、表彰式を終わり二条城を出ると、丁度街路樹のケヤキが見事に紅葉していました。
少し大きな写真と特性などは、右サイドの 観賞植物の紹介 に載せますのでそちらもご覧下さい。
関連の記事が 園芸植物理・園芸情報 にもありますので、ご覧ください。
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コメント
こんにちは。
雰囲気たっぷりの場所で、ほんとう、秋らしくて、どのお花もきれいですね。
投稿: きいろひわ | 2012年11月21日 (水) 10時27分
プロフユキさん、こんにちは。
菊花展の菊の花にはそれ程関心を持てずにいますが、
丹精込めて大切に育てられたことはひしひしと伝わってきます。
様々な技術も駆使されているのでしょうね。
審査基準は置き方までビシッ!と決まっているのですね。
クリアするのは並大抵ではなさそうな。
厚物 管物 育てるのはどちらが難しいのでしょう?
それぞれの難しさがありそうにも思えますけれど。
色の出し方などにも難しさがあるのですね…
自分の好みとしては、管物の繊細さに惹かれます。
小菊の仕立物も、よくまぁこんな形に作れたと思うものに
お目にかかることがありますが、こちらの扇とクジャクも見事ですね。
扇の紅白が接木で2色にされた1株とは驚きました。
投稿: ポージィ | 2012年11月21日 (水) 11時55分
今晩は きいろひわさん
場所がいいので海外からの観光客も多く、特に珍しい大型の菊の花で、
毎年注目を引いています。
唯一の心配は栽培者の高齢化で、何とか新しい栽培者が増えるのを
期待していますが?
投稿: プロフユキ | 2012年11月21日 (水) 18時05分
今晩は ポージイさん
苗を植える3月頃がいつまでも寒く、その後鉢あげして摘心をして生長させるころ
から暑くなり、茎の高さをそろえたり蕾の大きさをそろえるのが大変だったろうと
思います。
摘心するときにソフトピンチといって茎の先端だけを取らないと、揃った三本の
わき芽が伸びてこないので特に気を使います。
9月が暑すぎると蕾の生長が進みすぎたり、涼しくなると花弁の伸びが悪くなったり
色が変わるので、天候の変化に気を使っていますね。
厚物はあまりに大きくて豪華ですが、管物は繊細で可憐ですね。細い花が上を向く

嵯峨菊や、少し垂れる伊勢菊など、各地にいろんな花があるようです。
小菊はよく菊人形に使われたりしますが、扇や鳥などの形の仕立てられ、

その彩をつけるため色の違う枝を接木されているので驚きます。
投稿: プロフユキ | 2012年11月21日 (水) 18時20分