・今年も京都府立桂高校で行われました、第61回全京都農林産物品評会での審査に行ってきました
桂高校卒業生の同窓会・京都桂農友会のご尽力で、卒業生を中心に京都府下全域から農産物が出品され、毎年品評会が行われています。
今年は79品目(葉菜、根菜、果菜、イモ類、草花類、果物類、米その他の加工品)、397点の農林産物が出品されました。例年より今年は若干出品数が少なくなっていますが、
これには今年の気候条件が異常で、特に夏の育苗期の高温と雨の降り具合が局地的に大雨になったり旱魃になったりしたことと、開催時期は例年より早まったため出品数が限られたものと思われました。
出品物の受付、会場設営、採点補助作業などは大変な作業ですが、例年通り在校生の協力で、教育行事の一環として実施されています。
ショウガ
この写真は静岡の小が栽培者から相談を受けたショウガの花の写真です。このショウガを11月に掘りあげて、翌年の葉ショウガをとるためのタネ球に使うものですが、今年の高温のため例年では咲くことのない花ができてきています。このタネ球を12月に畑に植えて加温栽培をして、2月頃に葉ショウガとして出荷する予定なのですが、花が咲いてしまうと葉の伸びや塊茎の品質が悪くなってしまい大問題です。ショウガは熱帯原産で、熱帯では毎年綺麗な赤や黄色の花が咲きますが、日本では温度が不足するためにまず咲くことはなかったのです。
サトイモ
これはサトイモの花です。前に野菜にもこんな綺麗な花が咲きますと紹介したものですが、このサトイモも熱帯原産で、日本では温度が不足するためまず咲くことはないのですが、今年は京都や徳島でも開花したようでした。サトイモの花のように見える器官は実は仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれる葉で、その中に薄橙色の棒状部にたくさんの花(肉穂花序)がついています。アンスリウムやミズバショウでは、この仏炎苞が開いて肉穂花序がよく見えます。
カブ
カブは日本に古くから栽培されており、「日本書紀」にもカブの栽培を奨励したことが書かれており、たくさんの品種が各地にあります。一般的に広く利用されているのはこのような小型の白い品種です。
カブ
このカブでは上のほうが鮮やかな赤紫色をしています。滋賀県の日野菜カブも同じように上が赤い色をしていますが、丸型ではなくダイコン状の細長い形をしています。
赤カブ
これは赤カブです。カブは浅漬けが美味しくてよく使われますが、赤カブは酢漬けにするとより色が鮮やかに仕上がります。
チンゲンサイ
これはチンゲンサイで、タイサイの仲間です。ハクサイが増えてタイサイの需要は減少していましたが、このチンゲンサイはハクサイと共存して、中国野菜として利用が広がっています。葉の基部で結球してしまっていて、上で葉はやや展開しています。下部の色が緑色のはチンゲンサイで、白いのはパクチョイです。
サニーレタス
これはレタスのうちで結球しないリーフレタスの仲間で、葉先が赤紫色をしています。最初は商品名でしたが、今ではこのような葉の色が赤紫色の品種をグループ名として、サニーレタスと呼ぶようになってきています。
カリフラワー
これからはこのカリフラワーやブロッコリーが旬の時期になります。このように純白で緻密な花らいをつけさせるのはかなり大変ですが、彩り上からも根強い需要があります。
今では花らいの色もこの白以外に、オレンジやパープル、薄いグリーン色のものもできています。
コールラビ
これはキャベツの仲間・コールラビで、茎の基部がこのように球状に太ります。日本にはたくさんの大カブ品種があるため需要は広がりませんが、ヨーロッパでは寒さに強いためよく利用されています。ブロッコリーとも近縁で交雑できるため、上がブロッコリーで、下が肥大したコールラビ状の野菜も台湾で育成されています。
トウガン
これはウリ科のトウガン(冬瓜)です。日本では平安時代から栽培されていた古くからある野菜ですが、カロリーが少なくダイエット向きの野菜として需要が増えています。成分としてはミネラル特にカリが多いため、高血圧の人に良くてむくみを取る作用があり、またビタミンCも多く含んでおり風邪の防止にも役立つ効果があります。
万願寺トウガラシ
これは丹後の舞鶴地区で育成されて万願寺トウガラシで、伏見甘トウガラシとピーマンの交雑で生まれました。肉厚で大型の果実で、ほとんど辛味のない品種が育成されています。京都以外ではなかなか手に入らない品種ですが、一度食べるとその旨味に驚く人が多いようで、新しい京野菜といえます。
鷹ケ峰トウガラシ
これは京都の本阿弥光悦ゆかりの芸術村である鷹ケ峰地区で、伏見甘トウガラシの交雑個体の選抜から育成された鷹ケ峰トウガラシで、万願寺トウガラシと同様に大型・肉厚で辛味のない品種です。万願寺トウガラシ同様に、煮ても焼いても利用でき、味の良い品種です。
ミニストック
桂高等学校では野菜の栽培・研究も盛んですが、花の品種改良・栽培も盛んです。「植物クリエイト科」と「園芸ビジネス科」という、プロを育てる課程があり、また「草花クラブ」では数々の品種育成をしております。ここに示しましたのは、最近流行しているミニストックです。ストックはアブラナ科に属し、良い香りを持っており、花弁の八重と一重の種類があります。
ミニポインセチア
これも最近のミニ化で作られたミニポインセチアです。ポインセチアは挿し木で増やせますが、短い枝を挿し木して、密植して繁殖されているようです。
バラ
真紅のバラで、外側の花弁は剣弁で、芯は高い高芯の綺麗な花です。イギリスの貴族はロンドンの庭でバラを育て、地方にある農園のコムギなどの収量を量る目安にしていたとか。
少し大きな写真と特性などは、右サイドの京野菜・伝統野菜の紹介に載せますのでそちらもご覧下さい。
関連の記事が 京野菜 にもありますので、ご覧ください。
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コメント
農作物は、皆さんどなたも丹精込めて作っておられ、
甲乙つけがたいと思うのですが、
どういうところに着目して品評されるのでしょうか・・・
投稿: もみじ | 2012年11月10日 (土) 23時08分
私も縁あって、大阪府立農芸高等学校の学園祭に行ったことがあります。
生徒たちの農業に対する真剣な取り組みと生き生きした表情には、感心しました。
実地で植物や動物を通して学ぶことって、すごく大切なのでしょうね。
購入してきたお野菜の美味しいこと!
育ててきた生徒達の心がこもっているのを感じました。
プロフユキさんのブログで、あの美味しさを思い出しました。
投稿: つんきち | 2012年11月11日 (日) 10時45分
今晩は もみじさん
野菜や花の審査はそれほど難しくはないのです。トマトやキュウリやナスなど、
それ本来の大きさがあるか、すんなり育っているか、色艶は良いかを見れば、
一目瞭然なのです。
誰しも一生懸命育てているでしょうが、気候が不順なときほど、上手に作った人の
農産物は綺麗に出来上がっています。
投稿: プロフユキ | 2012年11月11日 (日) 21時17分
今晩は つんきちさん
農芸高校の生徒さんに限らず、植物を育てたり動物の世話をすることで、
大事な食物を作ることができ、また生き物との心の触れ合いができますね。
世話をするのは如何に大変か、毎日世話をしないといいものはできませんから
忍耐心も培われますし、情操教育にもなりますね。
一般家庭の人もやはり潤いを求めて、植木鉢で花を育てたり、プランターで
野菜を作ったりしていますが、ストレス解消にも大きな効果がありますね。
投稿: プロフユキ | 2012年11月11日 (日) 21時31分
コールラビはこちらでも、冬になったら結構出回っています。野菜購入係の夫がよく買って来るのですが、いつも持て余して大根かキャベツ代わりに炒めたりシチューに入れています。何か良い調理法は無いかと、いつも料理サイトとにらめっこです。
上の方が紫や、皮の赤いカブはインドでも良く見かけます。大根も、冬場は皮の赤いのが出回り、夏は白い大根が出回ります。赤い品種は寒さに強いのでしょうか。冬は大根の味噌汁がピンクになっちゃいます。そう言えば、冬に中国北部に行ったときには、皮が緑で中が赤い大根や全体が緑の大根を見かけました。とても綺麗でした。一口に大根とかカブとか言っても、地域ごとに色々な品種があるのが面白いですね。
投稿: わさんぼん | 2012年11月14日 (水) 21時52分
今晩は わさんぼんさん
コールラビが栽培されていますか、イギリス人が持ち込んだんでしょうね。
カブの方がおいしいような気がしますね。
日本での栽培はほとんどないので、料理もあまり工夫されていないようですね。
カブやダイコンはアフガニスタンあたりが原産地で、それからヨーロッパと
アジアにわたってきて、いろんな変異が生まれていますね。
中国の赤や緑のダイコンは彫刻したりして、装飾用に使われることが多く、
味も甘味があるようですね。
投稿: プロフユキ | 2012年11月15日 (木) 22時40分
皆さんの活躍、あちこちから聞こえて来ています。
すいませんが、トマトの販売は、もう始まっているのでしょうか?
何時販売されるにか、是非お知らせ下さい。 元在校生
投稿: 田中 将介 | 2016年6月 8日 (水) 10時31分
田中将介様
コメントを有難うございます。
なかなか在校生の生徒さんたちも頑張っているようですよ。
農産物の販売6月分は、6月3日(金)から開始しているようです。
販売場所:1棟~2棟 1階 西渡り廊下
販売時間:15:45~16:15 ただし、売切次第終了されるようです。
投稿: プロフユキ | 2016年6月 8日 (水) 16時04分