・京都ホテルオークラでの、櫻井よし子さんの「日本再生への針路」講演会に行ってきました
評論家の櫻井よし子さんはベトナム生まれで、とてもクラシックで丁寧な日本語で、明快に評論をされています。何冊か著書も拝見していますが、京都ホテルオークラで毎年講演会をされていて、素敵な食事つきでリースナブルな会費ですので、今年もワイフと参加しました。あいにく家を出る頃雷雨が鳴り豪雨となりましたが、車で会場に着く頃には小降りになりました。
櫻井さん は1時間半の講演を原稿もなしに、いつもユーモアを交えて聴衆を笑わせながらたくみに、時には政界要人に衣を着せぬ批評をしながら講演されました。以下にはメモを取っていなかったので思い出す範囲ですが、講演内容を書いてみましたので多少間違いがあるかもしれませんがご覧下さい。
開国した明治以降の日本は西欧諸国との産業・国力の違いを痛感し、富国強兵策を取ってきました。その結果、1895年日清戦争に勝ち、1905年には日露戦争にも勝利を勝ち取れるようになりました。
このような日本の産業・国力の飛躍的発展が、西洋列強に対して日本という国を認めさせました。これができたのは、江戸時代に全国にいきわたっていた教育のおかげで、知的レベルは決して低かったのではなかったのです。
この努力過程を通じて開国38年頃より、始めて世界列強の治外法権をなくし、平等な条約を締結できるようになりました。このように国際間では、強い国力と産業力が不可欠であり、国力には外国に侮られない軍事力が必要であることを明らかにしました。
ただ日本は先の太平洋戦争で敗れ、軍事力はおろか防衛力も持つことを許されず、精神的基盤を失ったまま、米国の急造した憲法だけが残されました。
現在の状況を桜井さんは痛烈に、ロンドンオリンピックで金メダル獲得に活躍した女性に比べ、男の子は銀メダルしか取れませんでした。あんなに眉を細くした男の子は外国選手にいたでしょうかと、揶揄していました。
徴兵制 がなくなり、それは米軍の傘に入った平和かもしれませんが、それでは自分の国を守るという精神的バックボーンは生まれないでしょうと、警鐘を鳴らしていました。
最近の韓国、中国、ロシアによる日本国土への干渉、不法占拠はなぜ起こるのでしょう。これは平和憲法があれば守れるものではないことを如実に物語っていますが、世界オンチの多くの(不完全)識者が、無邪気にこれを妄信しているようです。桜井さんは実名を挙げて能天気な某党首などの紹介をしていました。
中国 は恐ろしい人権無視の国です。平成元年中国は国民の要望した天安門での民主主義への要望を、軍隊で踏みにじりました。民主化路線に同情的であった趙紫陽総書記は全役職を解任され、その後2005年に亡くなるまで自宅軟禁下に置かれました。党長老であった鄧小平は、中国共産党は経済改革はするが、政治的改革はもうしないと宣言したわけです。これ以降共産党一党の独裁体制が続き、司法・行政・立法の三権も共産党が決める、党独裁の異常な国家になったわけです。
自宅軟禁中 の趙紫陽が政治的関与はもうしないから、せめて好きなゴルフだけでもと希望すると、いつかゴルフ場に案内されたが、誰もいないだだっ広いゴルフ場に一人ぽつんと残されたとか。それ以降趙紫陽はもうゴルフのことは言わなくなったとか。しかし中国は海外メディアに対しては、趙紫陽は自宅で自由に過ごし、好きなゴルフも楽しんでいると伝えています。
一方の米国では最近有望なエネルギー開発をしています。世界のエネルギーは化石燃料の石油に依存していますが、 米国は頁岩層(シェール)に含まれる石油や天然ガスの開発が進み、エネルギーの純輸出国に転じるとの予測も聞かれています。これにより石油価格は低下し、産油国の立場は低下することでしょう。
また日本も、素晴らしいエネルギーがあることが分かってきています。レアアースは、蓄電池、発光ダイオード、磁石などのエレクトロニクス製品の性能向上に、必要不可欠な材料で、先に主要輸出国中国が生産縮小を言い出し、日本産業に打撃を与えました。中国のレアアースは主に軽希土類で、しかも放射性物質の除去という危険な作業を国民に知らせずにさせています。一方日本の鳥島の海底には莫大なレアアースが埋蔵されており、しかも重希土類であり海底にあるため、放射性物質の除去を必要としないという。
経済的にも密接な関係にある日本とアメリカが、これらのエネルギー源とレアアースで手を結べば、更に両国の将来は安定したものとなるでしょう。
以上の国際状況、産業動向を説明したあと、これらの政策を遂行し安全な国土国民を守るためには、憲法を改正し国土を守る軍隊を増強することが必要です。そのためには能天気などこかの前あるいは前々党首ではなく、本当に国の将来を立て直す実行力のある人を選挙で選ぶようにと、にこやかに話して盛大な拍手のうちに講演を終えました。
その後は隣室の食事会場でフランス料理を堪能し、幸せな気分で帰宅しました。
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●関連の記事が 随 想 にもありますので、ご覧ください。
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コメント
中国の項目を読んでいて思ったのですが、日本は言論の自由が保障されていて良いですね。中国はGoogleのサイトが見られなかったり、自国の政府に都合の悪い情報にはアクセスできなくなっているそうですね。
インドだって酷いもんです。政府を批判するマンガを描いたという理由で数日前にイラストレーターが逮捕されていました。それどころか、ある州の元知事が在職中は、彼女のことを批判する人達が、次々と謎の事故死をしていました。こういう話を聞くと、とんでもない国に来てしまったと思います。
投稿: わさんぼん | 2012年9月12日 (水) 21時30分
今晩は わさんぼんさん
日本にもいろいろ問題はあるけれど、国の組織がしっかりしているので、
それほどひどい不正は起こっていないでしょう。
中国の実情はひどいようで、共産主義独裁で、どんな不正も正される事は
ないでしょうね。でも、地方では毎日数百件単位でデモなどがおきている
そうですよ。今は軍隊で抑えていますが、いつまでそれがもつか。
インドでも似た問題がありますか、元の領主が残っていたり、金持ちもいる
からでしょうかね。 また海外に出られればいいですね。
投稿: プロフユキ | 2012年9月12日 (水) 21時55分