・お近所さんから頂いたスズムシが孵化(ふか)し、幼虫から成虫になってきました
お近所さんから、スズムシ要りませんかと持ち込まれました。たくさん孵って来て、自分では飼いきれないのでとの事でした。丁度興味を持っていたときでしたので、貰うことにしました。スズムシは直翅目コオロギ科で、雄だけがリーン、リリーンと鳴くようです。えさには専用のえさもあるけれど、鰹節の粉でも良いとのことと、後はキュウリかナスのヘタがあれば飼えるとのことでした。タンパク質が不足すると、共食いをするので、セッセと鰹節の粉は補いました。
しかし、何匹かのスズムシに混じって色のまだ薄い色で小さいのが混じりだし、その数が異常に増えてきました。小さい幼虫がいるのに気がつかなかったのかと思い、籠を2個買いたし、土も腐葉土の混じった土を入れてやりました。
しかし、まだまだ幼虫の数が増えてくるので、どうも卵が土の中にあり、それらが順番に孵化してきていると分かりました。更に籠を買い足し、えさ箱、隠れ家となる炭のかけら、キュウリなどのえさを入れてやり飼う体制を整えました。
茶褐色だった体色が、段々と黒味が増してきました。キュウリのえさに加え、スイカの皮なども好むと分かってきました。適度に水を土や炭に補う必要があり、それが日課となってしまいましたが、やり過ぎるとカビが生えるの要注意です。
なぜか棒状の炭のしかも、蔭に密集しているので、ああそうか夜行性で暗いところが好きなんだと納得しましたが、逆さまにでもぶら下がっているのにはあきれました。しょっちゅう長い2本の触角を動かしし、周辺を確認しながら動いているのも暗闇に住む習性のためかと思われました。
しかし、雄雌の区別が分からず不思議でしたので、ちょっと調べてみました。すると、体長8mmくらいになるまでは識別できないとあり、皆まだまだ幼虫なのだと納得しました。
そのうちお尻に短い突起が出ている個体が増え、それが産卵管でありそれらは雌だとわかりました。雌雄どちらにもお尻から2本の突起が出ていましたが、それらは尾毛とのことでした。
時々見ていると逆さ向けになって足をばたばたさせている個体があり、けんかに負けて死に掛けているのかと思っていました。しかし、他の個体は知らん顔をしいているし、前足を盛んに動かしており、やがて中足も後ろ足も動かして、お尻から何かを脱ぎ捨てているようでした。脱皮をしていたんですね。見る見るうちに、その脱いだ殻も食べだすのには驚きました。普通には幼虫は6回から7回脱皮をして、孵化後2ヶ月くらいで羽ができる羽化(うか)をして成虫になります。
前羽と後ろ羽ができますが、後ろ羽はやがて抜け落ちるようです。これはスズムシは飛ぶことなく、土の上を歩くためだろうと思われます。羽の模様に雌雄で差があり、またこの頃雌の産卵管は12mmくらいに伸びてきます。雄では口で鳴くわけではなく、この2枚の前羽を擦り合わせて鳴きます。一回リーンと鳴くために、40回以上前ばねを左右に擦り合わすようです。
一匹だけ成虫になった雄がいて昨日初鳴きをしましたが、気に入らなかったのか止めてしまいました。これから練習をして綺麗な良い音楽を聞かせてくれることでしょう。
ただ、オスは人間のために鳴くのでなく、配偶者を見つけるために必死に鳴くので、雌がいた方が良い声で鳴くとか。でも雌にめぐり合い交尾をすると、やがて雄は雌に食べられ、雌はそれを栄養源として産卵に励み100卵くらい生んで、短い一生(2ヶ月くらい)を終えるようです。
まだまだ数が増えてくるようで、ベランダに放そうかと思いましたが、あたり一面で鳴き出すと、回りから苦情が出てきては大変だと思い直し、籠で飼うことにしました。
まだ我が家では聞けませんが、スズムシの綺麗な鳴き声をyou tubeからお聞きください。
●少し大きな写真と特性などは、右サイドの その他の写真 に載せますのでそちらもご覧下さい。
●関連の記事が 随 想 にもありますので、ご覧ください。
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コメント
鈴虫さん、風情があってよいですね。
しかし、あまりたくさんいるとかなりの大合唱になり、
ボリューム最大ぐらいになりますよね
そしてちょっとサボると、
あれ?なんか少なくなった感じがする・・・ってなことに、
私はよくなります
何にせよ、やっぱり鈴虫は秋の気配を感じさせてくれる
日本代表ですね
投稿: もみじ | 2012年8月 6日 (月) 21時32分
今晩は もみじさん
今まで何人かの人がスズムシを育てていると聞いて、なんと優雅な趣味かなと
想像していまして飼い始めましたが、想像とちょっと違い確かに忙しいですね。
こまめに湿気やえさを見ていないと、 数が減ってしまいがちのようですね。
今のところ5階建てのマンション住まいしている皆が鳴き出すと、どうなるか
考えないことにしています。
お盆頃から綺麗な合唱を聞かせてくれるものと、期待して楽しみにしています。
投稿: プロフユキ | 2012年8月 6日 (月) 21時48分
何年か前私も鈴虫飼ってました。かなり大量だったのでその音量に閉口しました。近所の子供たちに声をかけたりしましたが、「虫、嫌い」などといわれ、結局自分で飼いました。何年か卵を冬越しをさせて春には真っ白な鈴虫がかえりました。でもそれを何年か繰り返しているうちに、近親交配のせいか奇形が生まれるようになり、そのまま終わりになりました。でも鈴虫の生育、かなり楽しかったですよ。
投稿: 木漏れ日 | 2012年8月 7日 (火) 01時15分
こんにちは!
先だって、扶養家族が増えましたとつぶやいていらした
鈴虫たちですね。こんなにたくさんいたとは~ 鈴虫マンション!!
小1の頃、家でもどなたかにいただいて飼ったことがありましたが、
いつの間にか消滅してました。
プロフユキさんは鈴虫のお世話も上手でいらっしゃるのですね。
しかし、短い命とはいえ、雌1匹で100も産卵するとは、これは増えますね~!
しばらくは雌雄の区別がつかないとか、脱皮の仕方とか、知らないことを
色々教えていただきました。飽かずに眺められそうですね。
お世話は大変ですが。
私は聴力に問題があるので鈴虫の高い音は聞くことができませんが、
たくさんの鈴虫たちが鳴くようになったら合唱(合奏?)が聞けますね(^^)
大合唱になるのかな~
投稿: ポージィ | 2012年8月 7日 (火) 13時01分
今日は 木漏れ日さん
スズムシ飼育の先輩でしたか。
子供はいらないでしょうね、多分男の子は捕まえるのには興味を示すでしょうが、
女の子は虫は嫌いでしょうしね。
やはり経験者ですね、孵化したてでは白い、まるでシミのような形ですね。
あれがみるみる大きくなるんですから。
何年か卵を孵させられたのですね。そこまで行けるかどうかやってみたいですが、
近親交配が問題ですね。どこかから違う系統の虫を入れる必要があるんですね。
投稿: プロフユキ | 2012年8月 7日 (火) 16時15分
今日は ポージィさん
草花、メダカに次ぐ、3番目の扶養家族です。まめにえさを変えたりしていると、
ワイフがしげしげと見て、そんな才能があったのねとつぶやいていました。
台所のお皿を拭いて欲しいといわれそうで、一瞬体が凍りつきました。
子供のころから虫を飼ったり、その世話をするのは好きでしたね。
脱皮した皮をすぐ食べるには驚きますが、何事にも無駄をしないのですね、驚きです。
音楽を奏でるのは口でなく、羽をこすり合わせるので、合奏でしょうか。
それと耳がとんでもない所にあるようです。写真にも簡単に書きましたが、前足の
第1関節の曲がったすぐ内側に耳があるようです。地面の接触からすぐ音を聞いて
いるのでしょうかね、これまた不思議です。
投稿: プロフユキ | 2012年8月 7日 (火) 16時28分
ちなみに・・・
鈴虫は夜しか鳴かないと思っていました。
しかし!職場の廊下で昼日中から、いやたまに朝の朝礼時から、
リ~ンリ~ンとすました声で鳴いていたのを聴いて
びっくりしたことがあります。
鳴きたい時に鳴くんですね
投稿: もみじ | 2012年8月 7日 (火) 22時35分
今日は もみじさん
コウロギなんかは草むらで昼間も鳴いていますが、スズムシは昼間でも暗くすれば
鳴くようですね。廊下にも暗闇があったのでしょうか、
ためしにかごを何かで覆って暗くしてやると、しばらくしてから鳴きだしました。
やはり過ぎ行く夏の短さを補うため、せっせと鳴くのでしょうね。
鳴き声を聞くため、1籠だけ寝室にも置いて聞いています。
投稿: プロフユキ | 2012年8月 8日 (水) 12時13分
こんばんは
大変興味深く拝見しました。
複雑な成長過程ですね。
スズムシのオスは、メスに、最後に食べられてしまうんですね。びっくりしました。
YOU TUBEの映像に吹き出しが入っていて、面白いですね。ゆき(我が家の猫)がこの音を聞いて、喉をゴロゴロ鳴らしていました。気持ちの良い音だったのでしょうか。
投稿: きいろひわ | 2012年8月 9日 (木) 22時22分
今日は きいろひわさん
本当にスズムシの生長の過程は、思っていたより複雑で観察していて驚きました。
何度も脱皮を繰り返し、古い皮を脱ぎ捨てる様はよくやるなあと驚きの連続です。
雄は雌に食べられ、雌は卵を産むため全エネルギーを使い尽くす。
なんだか人間にも似ているようで身につまされます。
you tubeの吹き出しは良くできていますね、笑わせてくれます。
ユキちゃんには自然の音に聞こえたのでしょうかね。
投稿: プロフユキ | 2012年8月10日 (金) 17時18分