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2012年6月15日 (金)

・意外とお花には毒がある種類があるので、菜園とお花畑は分けましょう(2)

先日、お花の中には毒性を持つ種類が結構あり、その例としてチョウセンアサガオ類、スイセンとタマスダレ毒性について紹介しました。そこで、必ず菜園お花畑は分ける必要がありますが、今回は更に毒性を持つ花の例を東京都福祉保険局と高知市生活食品課の資料から紹介します。

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これはヒガンバナの白色株です。一般に見られるのは赤色で、共に球根には毒成分がありますが、水にさらせば食べられる救荒作物にもなります。

バイケイソウ類(ユリ科)

バイケイソウは、高さ1メートルにもなる多年草で高山の湿地などの生えており、初夏に緑白色臭気のあるを咲かせます。やや小型の仲間にコバイケイソウがありますが、同じく有毒植物です。

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誤食部位など。オオバギボウシは庭などに良く植えられていますが、この若葉を東北地方などではウルイと呼び、山菜として賞味されます。バイケイソウ若葉オオバギボウシ(ウルイ)などと類似するため、誤食する場合があります。

症状おう吐、下痢、血圧降下、けいれんなど。

毒成分:プロトベラトリン、ジェルビン、ベラトラミンなどのアルカロイド類全草が有毒。

フクジュソウ(キンポウゲ科)

北海道、東北、関東などの山地に自生する多年草で、早春新芽を出し、鮮黄色の花をつけるので、縁起の良い花としてお正月に寄せ植えとして飾られます。多くの園芸種があります。

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誤食部位全草。新芽フキノトウと間違えることがあります。

・症状おう吐、呼吸困難、心臓麻痺など。死亡することもあります。

毒成分:毒成分は強心配糖体のシマリンやアドニトキシン。全草が有毒

グロリオサ(ユリ科)

アフリカ、アジアの熱帯地域に分布する宿根草で、近年、一般の家庭でも栽培されるようになり、露地では、初夏から晩秋開花がみられます。ケニアに滞在中野原でグロリオサが綺麗な花を咲かせているのを見かけましたが、ヒガンバナと同様に現地の人は荒地咲く縁起の悪い花として嫌われているようです。最近では生け花にも使われていて、先日紹介した六角堂での「春の生け花展」でも、写真のようによく用いられていました。

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誤食部位球根球根ヤマイモと間違えて、食べてしまい、死亡した事例があります。高知県ではこの栽培が多く、平成18年8月,高知市内でグロリオサコルヒチン食中毒による死亡事故が発生しました。また,平成15年にも同様の食中毒が発生しています。どちらの食中毒もヤマイモと間違えてグロリオサ球根を食べてしまったことにより,発生したものです。グロリオサについて,よく知り,誤食による食中毒を防ぎましょう。

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症状発熱、おう吐、下痢、背部とう痛など。死亡することもあります。

毒成分ロリオサは,全草にコルヒチンを含有し,特に球根に多く含みます。また,種子新葉にも,比較的多く含むという報告もあります。栽培や鑑賞をすることに問題はありませんが,食用にすると,中毒の原因となります。

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コルヒチンは,植物に含まれるアルカロイドの一種で,古くから痛風の特効薬として知られていますが,人や動物に多量に摂取されると,強い毒性を示します。人の場合,摂取後,数時間以降に,口腔・咽頭灼熱感,発熱,嘔吐,下痢,背部疼痛などが発症し,臓器の機能不全などにより,死亡することもあります。致死量は0.8mg/kg(体重50kgの成人で40mgの摂取量)とされています(高知市生活食品課)。

ヒガンバナ(ヒガンバナ科)

中国原産帰化植物ですが、日本全国の土手、墓地、道端など人家の近くに繁殖しています。秋の彼岸ごろ、主として赤色の花をさかせますが、白色の花を咲かせる種類もあります。「花は葉を見ず、葉は花を見ず」のように、葉の時期と花が咲く時期が異なるのが特徴で、地下には鱗茎があります。

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誤食部位鱗茎、芽など。花が終わった秋から春先にかけては葉だけになり、その姿が食用のノビルアサツキに似ているため、誤食してしまうようです。

症状吐き気、おう吐、下痢、中枢神経の麻痺など。

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毒成分リコリン全草に含まれます。特に鱗茎に多く含まれます。

鱗茎デンプンに富んでおり、有毒成分であるリコリン水溶性であるため、長時間水に曝せば無害化になるため、救荒作物として古くから不作の年などでは食用とされた事もあります。また、鱗茎石蒜(せきさん)という生薬であり、利尿去痰作用がありますが、有毒であるため素人が利用するのは危険です。毒成分の一つであるガランタミンアルツハイマー病の治療薬として利用されています。

スズラン(ユリ科)

北海道や東北地方の高山に自生する多年草ですが、各地の庭などに園芸用として栽培されています。初夏花茎を出して穂状の花をつけ、芳香があり、香水の原料にもなります。果実は球形の赤い液果です。

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誤食部位葉、花など。北海道などで山菜として珍重されるギョウジャニンニクと外見が似ていることもあり、誤って摂取し中毒症状を起こす例が見られます。

症状摂取した場合、嘔吐頭痛眩暈心不全血圧低下心臓麻痺などの症状を起こし、重症の場合は死亡することあります。

毒成分強心配糖体コンバラトキシン コンバラマリンコンバロシド などを含む有毒植物有毒物質全草に持つが、特に花や根に多く含まれます。スズランを差した花ビンの水を飲んでも、中毒を起こすことがあります。

少し大きな写真特性などは、右サイドの 観賞植物の紹介 載せますのでそちらもご覧下さい

関連記事が 園芸植物・園芸情報 にもありますので、ご覧ください。 

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コメント

こんにちは。
身近な有毒植物たちの第2弾ですね。
バイケイソウというのは、まだ会ったことがありません。
丸っこい葉に立て筋が入った様子はギボウシと似てますね。
これは間違えそう… もっともギボウシを食べたこともありませんが。
グロリオサの球根のことも初めて知りました。
グロリオサもスズランも水仙も、生け花やフラワーアレンジメントでも
よく使うお花。扱ったらちゃんと手を洗わなくっちゃ!
毒は使いようによっては薬にもなるものもありますが、
やはり素人が扱うのは危ないですね。

投稿: ポージィ | 2012年6月15日 (金) 10時13分

今晩は ポージイさん 

ギボウシは関西でも庭園に植えられているだけですが、その新芽を東北地方
では食べていて、その時の名前がウルイなんで、同じものなんですね。
最近では関西でも山菜としてウルイを見かけるようになりました。

グロリオサはちょっと毒々しいくらい赤い色ですから、有毒だというと納得
しますね。
でも生け花に使う時に誰もこれが有毒だとは思ってもいないでしょうね。

綺麗なお花も触った後には手を洗った方が良いようですね。 

投稿: プロフユキ | 2012年6月16日 (土) 00時25分

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