・ポインセチアの赤や白に着色した総包の中に、数個の雄花と1個の雌花が見えます
今年もポインセチアが開花(着色)してきました。花をよく見ると、赤く色付いているのは卵形の総包と呼ばれる葉です。先に、ポインセチアと同様に包葉の着色するブーゲンビレア(花の中に3の花のあるブーゲンビレア)の花のことを書きました。ポインセチアでは花序の中に、1個の雌花と数個の雄花があります。
ポインセチアはトウダイグサ属の宿根草で、赤、ピンクあるいは白色に色付いた包葉に観賞価値があります。
和名はショウジョウボク(猩々木)あるいはポインセチアで、英名はクリスマスフラワー、クリスマススターで、原産地はメキシコです。
ポインセチアは短日植物で、10月下旬頃、短くなった日長の影響で花芽が分化します。花芽分化に伴い、卵形の総包が色を帯びて鮮やかに着色するようになります。着色の度合いが進むと、先端がやや角張った普通葉でも着色するようになります。
ポインセチアの椀状花序内には、1個の雌花とそれを取り囲む多数の雄花と蜜腺があり、それを更に総包が包んでいます。雌花にはめしべだけがあり、花弁とがくは退化してなくなっています。
めしべには普通、子房、花柱と柱頭があります。ポインセチアでは子房の上に3裂する花柱があり、それぞれの先端は更に2裂して柱頭となっています。雄花はおしべだけがあり、雌花同様に花弁とがくは退化してなくなっています。
12月中下旬に開花(着色)させるためには、7月に挿木して自然日長で最低気温15℃以上で栽培します。
昨年咲いた株を引き続いて栽培した場合には、気温が15℃より低下すると、着色割合も遅くなりますが年を越す頃には着色してきます。
我が家でも例年同じポインセチアを継続して栽培していますが、温度が足りないためなかなかクリスマスには咲いてくれません。花の終わった後暖かくなれば戸外に出して栽培し、夏の間はやや日陰において育てれば、また秋から冬に着色を楽しめます。
繁殖は挿木で増やしますが、切り口から白い乳液が発根を邪魔するため、乳液を十分に出させた後水洗して挿床に挿して発根をさせます。
●少し大きな写真と特性などは、右サイドの 観賞植物の紹介 に載せますのでそちらもご覧下さい。
●関連の記事が 園芸植物・園芸情報 にもありますので、ご覧ください。
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コメント
こんにちは

ポインセチアがだんだん色づいていく過程って、
初めて見ました。何だか楽しいですね。
そして、自然の状態では年が明けてからの頃に
色づくものなんですね
わが家にも10年位前に一度やってきたのですが、
翌年の夏に枯らしてしまいました(^^;)
どうも根ぐされさせてしまったようで…
プロフユキさんは毎年継続して楽しんでいらっしゃる
のですね。素晴らしいです
投稿: ポージィ | 2012年1月27日 (金) 10時49分
クリスマスには決まったように色の美しさに惹かれて買ってしまうポインセチア。寒さと手をかけてやらない事で再びこのように色を付けることはなく枯らしてしまいます。真っ赤も素敵ですが途中のピンクの時も綺麗ですね。やはり植物は手をかけてやることが大切なのですね。手をかければその過程まで楽しめますね。
投稿: 木漏れ日 | 2012年1月27日 (金) 11時14分
今日は ポージィさん
4,5年が限度ですね、買わずにいけるのは

土地に植えればいいんでしょうが、鉢植えでは土が不足して根が弱るようですね。
葉の色づくのを見るのは面白いですよ。今も窓際で、ブーゲンビレアの葉が萌芽しては色づいています。でも温度が足りないのでやがて落ちてしまいますが。
ポインセチアの花はどんなに成っているんだろうとじっと見ていたのですが、葉が発達したぶん花は原始的ですね。雌花はめしべだけで、雄花はおしべだけなんて
投稿: プロフユキ | 2012年1月27日 (金) 14時47分
今日は 木漏れ日さん
ポインセチアはやはり熱帯の花なんですね。
沖縄に行くと潅木のように大きくなっていますが。
京都でも夏は良いのですが、冬が室内でないと持ちませんね。
全体が真っ赤でなくても、赤く色づく途中も確かに綺麗ですね。まだ緑色の葉とのコントラストも見られますしね。
投稿: プロフユキ | 2012年1月27日 (金) 14時56分
クリスマスシーズンにお花屋さんの店先でよく見かける
ポインセチアは、真っ赤に色付いたものばかりですけど、
このように色付きが進んでいくのですね!
身近な植物だったれど、知らないことがたくさんありました。
プロフユキさんの詳しい説明と写真、とても勉強になって、
楽しく拝見させていただきました
投稿: hanano | 2012年1月28日 (土) 15時21分
今日は hananoさん
売っているポインセチアは鉢植えで、たいてい真っ赤に色づいたものばかり売っていますからね。
沖縄や熱帯に行くとかなり大きくなったポインセチアの木を見かけます。それらはほとんどの葉は緑色で、先端部が赤く色付き、緑と赤のコントラストが本当に綺麗ですよ。


色が付いてくるところを写真に撮ろうと思ったのですが、なかなか上手くシャッターチャンスがとれず、限られた写真だけになってしまいました。
花序の中の雄花も雌花も、それぞれおしべとめしべだけしかなく裸で、葉っぱに主役を奪われてしまっていますね。
投稿: プロフユキ | 2012年1月28日 (土) 15時39分
おはようございます
去年の年末に始めてポインセチアを購入しました。来年の年末まで元気でいて欲しいな、と思っていたので、こちらの記事は大変ためになりました。高めの気温と日照時間がポイントなんですね。
投稿: きいろひわ | 2012年2月 4日 (土) 04時13分
今晩は きいろひわさん
それほど難しくないので、是非来年も咲かせて下さい。
4月始め頃色の付いた葉も弱ってきますので、下から数えて4,5枚目の葉の上で、切ってください。
切った枝が長ければ、切り口から出る白い汁を洗って除いてから、砂地にさすと発根して苗になりますよ。
放任しておいてもいいのですが、ひょろっと伸びて形が悪くなりますので。
4月中下旬頃暖かくなると、根の形をそのままで周囲に新しい土を足して、大きい鉢に植え替えてください。水はけの良い土を好みます。
売っているままでは根の量が少なすぎるためで、植え替えてやると根が元気に生長し、枝も旺盛に伸びてきます。
暖かくなれば戸外に出し、夏の間はたっぷり水と肥料をやりますが、水はけの良い土が良いですね。それと風で枝が折れないようあまり風通しの強くないところが良いです。
秋の終わりで寒くなってくれば部屋に入れますが、照明が当たると色つきが遅くなりますので、夜はなにか箱をかぶせてやれば短日条件になり、着色が始まります。
投稿: プロフユキ | 2012年2月 4日 (土) 21時46分
ようやく赤くなった葉が周りから白くなり始めました。これは葉の寿命OR紅葉なのでしょうか?
投稿: 向山六利 | 2021年10月30日 (土) 11時11分
こんにちは!
赤くなった葉の周辺から白くなってくるのは、毛う葉の寿命で老化が始まっているのだと思います。
投稿: プロフユキ | 2021年10月31日 (日) 09時35分