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2011年12月17日 (土)

・今年も元離宮・二条城での菊花展の審査に行ってきました

日本にはいろいろの咲き誇りますが、京都神社仏閣には菊の花似合います。以前紹介しましたが、元離宮二条城では50ぶりに4年前より菊花展再開されています。

今年116菊花展審査行ってきましたが、前回できなかった和菊種類と、大菊出品規定審査基準説明します。

この写真示した作品は、大阪府和泉市にある国華園菊花展審査入賞した作品です。

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これは、二条城での菊花展入賞した作品です。

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まず出品規定ですが、3本仕立ての12必要です。

3本仕立て茎の先端着く天地人の花がほぼ同じ高さで、そろって咲く必要があります。厳密言う高さは「 > > 」のになります。そろって咲くためには丁寧な摘心ソフトピンチ)をして、3本の分枝をそろって生長させる必要があります。

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に、それらが3鉢、縦4並べ最前列1m最後列1m66cm中央の列がその中間の高さで、各列39ほぼ同じ高さになっている必要があります。しかも高さだけでなく、12鉢の合計36がそろって咲く必要があります。

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更に花の種類後で説明しますが厚物9管物3とし、その中一文字含めることもあります。

また、花の配色各行・列白・赤・黄色入れ縦横同じ色の花来ないようにします。その上全鉢違う品種とします。展示期間10月中旬から11月中旬までの1ヶ月とし、11月初め審査日開花盛期になるように生育させます。途中1花の入れ替えを認めます。

には大菊中菊小菊3つの区分がありますが、仕立て使用するのは主に大菊です。この大菊欧米にはなく、切花用中輪しか知らない外国人からは珍しがられます。

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三段仕立て盆養には大菊用いられ、花の直径10cm程度になるよう先端の花芽残し、すべてのわき芽早めに除きます。花の形には、厚物、管物と一文字菊

3種類があります。

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厚物多数花弁状に見える舌状花中心に向かってこんもりと盛り上がったもので、舌状花並びに起伏がなくそろったものが良いとされます。舌状花については に、シュンギクのところで説明しました。

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管物では舌状花管状になり、直線的放射状にのびています。外側舌状花はしだれて先が丸まっています。管弁の太さにより、太管、細管、針管区分されます。管物になる種類には、嵯峨菊伊勢菊などがあります。

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一文字は「御紋章菊」ともいいます。その名通り天皇の「菊のご紋」のように、平たい舌状花一重並んでおり、舌状花14から16枚程になりますが、16になるのが理想とされています。

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このように厳しい出品規定があり、審査する方出品する方丹精込めて育てられたご苦労思うと、なかなか厳しい判定はできなくなります。審査基準としては示したとおりですが、定められた規定満たしているかどうかがまず審査されます。よく見る茎の伸び悪く下の土盛り上げその上置いたものや、伸びすぎたため下の土掘って鉢をうずめた苦心などの工夫見られることもありますが、これらは減点になります。更に直感して美しいかどうか、また茎葉のバランス花の形・開花程度審査されます。

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出品者はこのように厳しい出品規定がありますから、出品した12鉢だけでなくその10倍以上育てておられるわけで、その栽培管理大変な苦労思われます。入賞者聞いてみると、菊の栽培が始まると旅行もできず、ほとんど付きっ切り管理しているとのことでした。

少し大きな写真と特性などは、右サイドの 観賞植物の紹介 に載せますのでそちらもご覧下さい。

関連記事が 園芸植物・園芸情報 にもありますので、ご覧ください。

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コメント

由緒ある二条城の菊花展にはことさら立派な菊が出品されるのでしょうね。私の周りにも切り花を作る菊農家もいらっしゃいますし、鉢物としての菊作りもとても盛んです。手を掛けなければ立派な菊にはならないそうですね。菊の会にも誘われていますが、ずぼらな私には踏み込めない世界です。

投稿: 木漏れ日 | 2011年12月18日 (日) 10時19分

今日は 

二条城の菊花展では京都らしい装いでと言うことで、北山杉で木組みをして、その中に菊の花をならべています。
外国の観光客が多いため、なかなか好評のようです。
菊作りの人に聞くと、家族のことより菊の世話に精を出すため、夫婦仲があまりよくないとか。それは一寸困りますね。

投稿: プロフユキ | 2011年12月18日 (日) 11時43分

こんにちは。

私も菊花展が大好きで、秋になるとよく出かけるのですが、
こんなに厳しい出品規定があったとは知りませんでした。
とても勉強になりました。
審査員の方々も、作者の苦労を思いやりながらの
審査なのですから、大変ですね。
お陰様で、何も考えず、ただ「綺麗~」とうっとりするだけの私も
存分に楽しませていただいております。

投稿: Unit fun | 2011年12月18日 (日) 13時34分

今日は 

厳しい審査基準でしょう。多少の茎の低いことや高いことはおおめに見ても良いのではと思って採点しています。

こんな素晴らしい大菊ですから、来年も頑張って綺麗な菊を育てて、皆さんを喜ばせてくださいと、いつもお願いしています。

菊も貴重な文化財ですからね。 しかも育てている人がほとんど高齢者で、後継者不足が心配です。

投稿: プロフユキ | 2011年12月18日 (日) 14時45分

こちらの記事、大変勉強になりました。

投稿: きいろひわ | 2011年12月27日 (火) 06時52分

こんにちは きいろひわさん

菊の審査にはこのような厳しい出品基準があるのに驚かされたことでしょう。

一寸厳しすぎるところもあるのですが、それがあるからお互い切磋琢磨して、栽培技術を磨いているようですね。

投稿: プロフユキ | 2011年12月27日 (火) 11時43分

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