・これから需要の伸びるチコリの栽培と利用
キク科に属する多年草で、原産地はヨーロッパ。和名はチコリ、キクニガナで、フランスではアンディーブと呼ぶためエンダイブとよく混同されます。エンダイブは葉が縮れていて、種が異なります。チコリの1種にトレビスがあり、赤紫色でレタス状に結球したものを見かけます。
冬の寒さが厳しいヨーロッパでは低温期にも栽培でき、サラダ用としてレタスに代わる貴重な野菜となります。花やつぼみはハーブとしても用いられ、伸びた根をフライパンなどで煎ると、珈琲としても使えます。
日本には明治初年に導入され、チコレとして紹介されています。最近ではファミリーレストランなどで、レタスに混じってよく見かけるようになった高級サラダ野菜です。少し苦みがあるため、普通には1~2月にかけて生育の停止した根株を堀上げ、根株を軟白したものを収穫します。軟白すると、真っ白で苦みの少ない柔らかい葉になるので、それをサラダなどに利用しています。一般家庭での消費よりは、主に業務用として消費されています。
根は地中深く伸長し、葉はロゼット状で茎に互生します。抽台後茎はよく分枝し、高さ50~150cmくらいになり、その先端に頭状花序をつけます。開花期は夏頃で、鮮やかな青色の小花つけます。
チコリは新鮮重100g当たりタンパク質1g、炭水化物3.9g含んでいます(五訂日本食品標準成分表)。ミネラルではカリウム170mg、カルシウム24mg、鉄分0.2mg、繊維分を1.1g含んでいます。またビタミンを豊富に含みカロテン11μg、B1を0.06mg、B2を0.02mg、ナイアシン0.2mg、C2mg含んでいます。葉、花、種子及び乾燥した根株は肝臓の病気に良いとされ、また健胃、利尿並びにむくみ、皮膚病にも作用が認められています。
いくつかの品種のうち、ウィトルーフはヨーロッパでもっとも広く用いられ、生育は旺盛で収量も多い品種です。シコレ・ソバージュは結球性の強い改良種で、根がより細長い品種。
栽培は容易で、中間地帯では7月頃直播きし、株間を12~18cmとします。播種期が早すぎると抽台しやすく、播種期が遅れると栽培期間が短くなり、株が充実しなくなります。育苗もできますが、移植する時に根が切られたりして岐根になるため、直播きが適しています。
11月頃直根の直径が約2~6cmのものを掘りあげ、葉の基部を3cmほど残して切り取り、軟白用の苗とします。十分耕耘した伏せ床に12月初め頃、根株を十分深く植え、たっぷりと潅水します。更に光が入らないよう暗黒にし、18~20℃の保温条件下で生育させて軟白します。12月末頃より、軟白されたチコリを収穫できます。
●少し大きな写真と特性などは、右サイドの 野菜とその花の紹介 に載せますのでそちらもご覧下さい。
●関連の記事が 園芸植物・園芸情報 にもありますので、ご覧ください。
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コメント
チコリってこんなにカワイイ花が咲くんですね✿
種まいて育ててみようかな(*^_^*)
プロフユキさんのブログ、とても勉強になります。
これからも楽しみしておりますね。
それでは、どうぞ良いお年をお迎えください。
投稿: ☆yuki | 2011年12月31日 (土) 15時18分
今晩は
チコリって綺麗な花でしょう。
プロフィールにあるアドレス宛か、このアドレス宛にメールしていただければ、タネをお送りしますよ。
丈夫な野菜で寒い所でもタネを直播するだけで、毎年綺麗なブルーの花を咲かせてくれますよ。
それでは良い年をお迎えください。
投稿: プロフユキ | 2011年12月31日 (土) 21時08分
こんばんはユキさん

サラダなどの料理でよく見かけるチコリ。
グルメな、いえいえ、食いしん坊な私は、
お花なんて想像したこともなかったです
もっと頑丈な感じかと思ったら、
可憐な花びらと繊細なしべ、やさしい色。
チコリのファンになりそうです。
ユキさんの紹介される、植物、かわいいお人形、
いろんなジャンルに釘づけになった1年です。
ありがとうございました。
来年も楽しみにしております。
よいお年をお迎えください(^^)
投稿: 花みずきょん | 2011年12月31日 (土) 22時38分
今年もあと一時間になりました。プロフユキさんのブログに出会えたことは私にとって大きな喜びになりました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。
今では知られてきたチコリですが何年か前にハーブの本で花を見て興味を持ちました。珍しい種が置いてあるハーブの店で輸入の種を見つけてやはり花に惹かれたアーティチョークと一緒に蒔いてみました。大失敗で花を見るなどという以前に発芽もしなかったような記憶があります。難しい植物なのでしょうか?コツでもあって作物として成功しなくても花だけでも見てみたいような気もします。
投稿: 木漏れ日 | 2011年12月31日 (土) 23時10分
花みずきょんさん
あけまして おめでとうございます。

作年はブログを見ていただき、有難うございました。
本年もよろしくお願いいたします。
チコリは結構丈夫な宿根草で、結構寒いところでも毎年綺麗な花を咲かせくくれます。
花が終わるとたくさんの種ができるので、近くの土手などにばら撒いて広げています。
投稿: プロフユキ | 2012年1月 1日 (日) 13時14分
木漏れ日さん
あけましておめでとうございます。
昨年はブログを見て頂き有難うございました。
本年もどうぞよろしくお願い致します。
チコリのタネはまだ輸入品で、、タネ自体が良くないのです。発芽しくても木漏れ日さんのせいではないのですよ。
丹波の農場では毎年ブルーの花を咲かせ、その後にタネガたくさんできるので、土手や空き地に広がるようばら撒いています。
良ければタネをお送りしますよ。このメール宛に連絡下さい。
是非試してください。
投稿: プロフユキ | 2012年1月 1日 (日) 13時23分
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします
投稿: 里山のプーさん | 2012年1月 1日 (日) 15時36分
今日は 里山のプーサン
あけましておめでとうございます。
昨年中はたくさん色んな写真を見せていただき有難うございました。
信濃路は懐かしい風景、食べ物がありますね。今年も色んな食べ物の写真などを見せてください。
私の方もマイペースですが、色んな写真を載せたいと思いますので、また見てください。
投稿: プロフユキ | 2012年1月 1日 (日) 16時35分
こんにちは

チコリはEndiveなのですね。知らなかったです…
ハムを挟み込んでホワイトソースで煮込んだり、クリームスープを作ったりしました。独特の苦味が少しあって、おいしいですよね。
日本で栽培ができるとは知らなかったです。(軟白したチコリは日に当たると数日で黒ずむと聞いていて、栽培が難しいのかと思っていました。)こちらの記事によるとそれほど難しくなさそうで、なんだか嬉しいです。お花を見たことがなかったのですが、とてもきれいですね。食用にだけではなく、ガーデニングにも向いていそうです。
大変勉強になりました。どうもありがとうございます。
投稿: きいろひわ | 2012年1月 6日 (金) 00時26分
今晩は きろひわさん
チコリとエンダイブは言葉で見ると紛らわしいのです。
チコリは英名ではchicoryですが仏名はendiveで、
方やエンダイブの英名はendiveで、仏名はchioreeとなります。ですから英名で書いてあれば良いのですが、同じendiveと書いてあっても英語かフランス語かによって、違ってしまうんです。
チコリからエンダイブができたようなのですが、国によってまたその使用しだした時期が異なって混乱し、今では葉に縮みがあるのがエンダイブで、ないのがチコリと判断するのが良いようです。
むつかしい説明になってしまいました。
投稿: プロフユキ | 2012年1月 6日 (金) 01時35分
こんにちは
すみません。お手数を掛けました。
私のコメントでは、フランス語の名前のほうを指したつもりが、「フランス語で」を書いていませんでした。
紛らわしくて、申し訳ありませんでした。
投稿: きいろひわ | 2012年1月 6日 (金) 15時09分
今日は
いえ いえ ちゃんとフランス語の堪能なきいろひわさんだから、ああフランス語で言っているなと思っていましたよ。
ただ何分ややこしいもので、自分の整理のためにも書いてみました
投稿: プロフユキ | 2012年1月 6日 (金) 16時09分
富士山の北、忍野八海で2年ほど前から農地を借りオーガニックファームと称し、野菜生産をしております、椎名ストレスケアーの学生が毎月30人ほど一緒に取り組み、新しいうつ病治療を農業で、を目指して奮闘中です
チコリのことを知り是非とも試作に取り組んでみたいと思います、種の入手が可能であればお願いできませんでしょうか?よろしくお願いいたします。
投稿: ヒロセ マサル | 2013年12月 9日 (月) 17時56分
今日は ヒロセ マサル さん
高冷地であれば十分チコリは栽培できるでしょう。
タネはヤッフーかグーグルで調べれば、新しいタネが簡単に
手に入ると思います。
栽培の資料はまたメールでお送りします。これからは寒くなるので
タネマキは晩春以降になりますね。
投稿: プロフユキ | 2013年12月11日 (水) 22時39分
昨年末に蒔いたチコリの花を見たいので、そのまま生えたままにしていましたら
花が咲きました。ブログを拝見すると「花」「つぼみ」はハーブとして利用できる
ようですが、どのようにしたら良いか教えて下さい。
投稿: ヒゲオヤジ | 2014年7月15日 (火) 09時40分
こんにちは ヒゲオヤジ様
遅くなりましたが、チコリのハ-ブとしての利用は次のように利用できるようです。
サラダやオードブルで葉をそのままあるいはサラダと混ぜて食べるようです。
また、コンソメ煮やグラタンなどにもできるようです。
葉をハーブティーにして、ほろ苦い味わいを楽しむ人もあるようです。
特有の苦みがありますが、胃や肝臓の機能を刺激して、強壮効果があるとされています。
投稿: プロフユキ | 2014年7月15日 (火) 22時42分