・涼みながら「太平洋の奇跡」を観てきました
評判の高かったが見逃していた映画、「太平洋の奇跡」を先日観てきました。
どこかフィリピン沖の小島での戦闘秘話かなと思っていましたが、映画を見るうち激戦であったサイパン島での知られざる秘話と知り驚きました。
この物語は米軍海兵隊員であったドン・ジョーンズが書いた「タッポーチョ『敵ながら天晴れ』大場隊の勇戦512日」に元づいている。ジョーンズは戦後来日して取材を行い、その上でこの本を書きあげています。その際、彼は戦後生まれの日本人が大尉の存在を知らず、また大尉他の多くの兵士が日本の国を守るために戦った精神について知らず、また大尉たちの行動に何の尊敬も払わないことに、非常に残念に思うと記しています。
日本の教育で語られることの無かった真実の物語の映画化は、平山秀幸監督がメガホンをとり、大場大尉を竹野内豊,
青野看護婦を井上真央、やくざ者の堀内一等兵を唐沢寿明が演じています。
サイパン島は北マリアナ諸島にあり、1922年以来日本の統治下にあり、日本まで2000kmで、本土防衛の重要拠点でした。1944年6月15日早朝から、米軍の艦砲射撃が始まり、上陸が開始されましたが、戦況は既に日本に不利な状況にありました。
そんな逃避行の中、チリジリになった兵士を集めながら、大場大尉も北へ向かいます。途中の民家で家族が殺されて赤ん坊だけが生き残っているのを発見します。上官の命令を聞かない堀内一等兵などはサッサと赤ん坊を身殺しにし、先を急いで行ってしまいます。玉砕を覚悟していた大場大尉も赤ん坊を見て、民間人を守りながら何とか生き残る事を考えるようになります.このあたりは、彼が職業軍人でなく、元来が地理の教師であったためかもしれません。
しかし逃避行の中で赤ん坊を連れて行けず、赤ん坊が一人残る家に目立つ目印を残し、米軍が保護してくれることを期待しながら、北に向かいます。北端に向かう中、多くの民間人がかたまって生存していることを知りながらも、まだ援軍の来ることを期待しつつ、戦うことを模索しています。
しかしゲリラ戦で米軍に抵抗し反撃を繰り返しつつも、戦況はだんだんと不利になり、民間人はす少しずつ投降者が出て行きます。一方の米軍側では守備隊長ほかが自決し、圧倒的勝利が確定した中、反抗を続ける一部の隊や民間人の行動が理解できません。
そんな中、強引に軍事行動を進めようとする上官に対し、日本人の気質を知るハーマン・ルイス大尉は大場大尉に畏敬の念を抱き、何とか降伏をさせようとします。
戦争映画にはありがちな残酷シーンは極力押さえ、大場大尉のとった人間としての行き方に焦点を絞った映画と思われました。戦争を知らない若い世代にも是非見て欲しいと思いました。
見逃している人のために、ダイジェスト版を紹介します。
関連の記事が 随想 にもありますので、ご覧ください。
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