・東日本大震災の被災者に捧げるドミンゴの「ふるさと」の歌

3月11日に起こった未曾有の大地震、原発事故による、東日本大震災の爪あとはいまだ修復されていないし、人々の暮らしも回復されていないようです。まして人々の心は、いまだに癒されてはいないのではないでしょうか。

国土を保全してきた農業にとっても、

海水の冠水による塩類除去と、放射能物質の除去が急務ですが、最高責任者にはその自覚が欠けているようです。

外国からの音楽家のコンサートなどがキャンセルされる中、テノール歌手のドミンゴは約束を守り、被災者を慰めるため4月11日東京のNHKホールで、コンサート・イン・ジャパン2011を行いました。

3大テノールの一人ドミンゴは、パブァロッティ、カレーラスと共に、日本でもファンが多い。ドミンゴはスペイン生まれであるが、メキシコで育ち、1985年のメキシコ大地震での被災経験を持っていることも、今回のコンサートで述べています。

先日その放送の紹介があり、ドミンゴが被災者に対して震災への哀悼の言葉、慰めの言葉と共にアンコールで、被災者のために日本の歌・「ふるさと」を捧げるとの説明があり、感動的な歌があった。「ふるさと」の歌は私達にはなじみの深い歌で、誰にも故郷を思い起こさせる郷愁の歌でもあり、思わず涙した。

録画放送された5月11日に、改めてコンサートを鑑賞しました。70歳になったドミンゴは往年のスマートさを残しながら、ひげをたくわえたよきお父さん振りが共演者のブァージニアとの間にほほえましく見られました。数々のオペラ、メキシコのサルスエラ、ミュージカルなど、たっぷり美声が聞かれました。

アンコールに立ったドミンゴは、東北大震災の被災者に向け、つらい日々を送られていること、また兄弟、友人たちへの哀悼の日々をおくられていることに触れ、世界中の人々が痛ましい気持ちでいることが伝えられました。そこで、被災者の皆さんとの心のつながり、慰めの機会が持てたらと思っていること、幸い今回、このコンサートで皆さんの心と魂に、ひと時の安らぎをもたらす音楽を届けられることができて嬉しいとメッセージがありました。ついで、皆さんが良くご存知の日本の歌を贈りたいので、一緒に歌って欲しいとの言葉が述べられました。

ドミンゴとブアージニアによる「ふるさと」の歌声　♪♪

ふるさと

作詞／高野辰之　　作曲／岡野貞一

兎(うさぎ)追いし　かの山

小鮒（こぶな)釣りし　かの川

夢は今もめぐりて

忘れがたき　ふるさと

如何(いか)にいます　父母

恙(つつが)　無しや友垣(ともがき)

雨に風につけても

思い出ずる　ふるさと

志(こころざし)を　果たして

いつの日にか　帰(かえ)らん

山はあおきふるさと

水は清き　ふるさと

ドミンゴとブァージニアによる「ふるさと」は感動的な出来栄えで、その感動で多くの聴衆者も涙を抑えがたく、ハンカチで涙を押さえる姿がたくさん見られました。ドミンゴの目にも、またブァ－ジニアの目にも光るものが見られました。歌い終わったブァージニアに聴衆の一人からハンカチが差し出され、ドミンゴの手を経て彼女に届けられました。

以前、東北大震災地を慰問に訪れた女性歌手が曲目を熟考の末、「ふるさと」の歌を歌うのは生々し過ぎるのではと、はずすシーンがありました。確かに、この歌には予想外の心を揺さぶる力がありますが、ドミンゴがアンコールに選んだのは成功だったのではないでしょうか。

東北大震災被害地ではこの放送を見られ人もあるかと思いますが、時間的にまた設備的に見られなかった人もおられると思います。幸いこのブログも、福島など東北の被災地でも見られているようですので、写真と映像をお送りします。

帰国後ドミンゴは友人と共にこの23日、東日本大震災の被災者への義援金として私財２０万ドル（各１０万ドル）を寄贈し、できれば音楽教育に役立てて欲しいとコメントが添えられていたそうです。

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