・これから需要の伸びるベビーリーフの栽培と利用
ベビーリーフとは若い葉をつみ取って収穫し、何種類かの葉をそのまま切ることなくドレッシングなどと混ぜて、サラダなどとして生で利用する葉菜類のことです。ドレッシングよりむしろ種類の組み合わせに工夫し、素材の味や香りを楽しんで利用します。
栽培特性として、夏の高温期には播種後3週間くらいで若い葉を収穫でき、冬の低温期でも40~50日くらいで収穫できます。そのため、畑に直播きし、しかも数種類の野菜を同時に混播できるので、限られた面積を有効に利用できます。生育期間は短いため施肥量は少なくてすみ、ベタガケすれば防除のための薬剤散布はほとんど不必要になります。
若い葉を刈り取って水洗いし、そのままサラダなどに利用するため、葉の歯触りなどの食味、香りを楽しみ、ビタミンやミネラルの栄養を調理で損なうことなく摂取できます。若い葉では辛味や香りがマイルドなため、多くの葉菜が利用できます。
ベリーリーフに特別の定義はなく、多様な種類が利用できますが、彩り、香り、食味が重要となります。緑色葉にはエンダイブ、グリーン・マスタード、グリーン・ケール、クレソン、コマツナ、サラダ菜、スイスチャド、ターサイ、パクチョイ、葉ワサビ、ホウレンソウ、マーシュ、ミズナ、ミブナ、レタス、ロケット(ルッコラ)などがあります。赤色葉にはサニーレタス、レッド・マスタード、レタス類(ロロロッサ、レッドオーク、レッド・ロメインなど)などがあります。
食味・食感をあらわすものにゴマ風味のロケット、パリパリ感のミズナとミブナ、酸味のあるソレルとルバーブ、甘みのあるステビア、ピリットした刺激のあるマスタード、葉ワサビ、チコリー、エンダイブ、ダンデライアン(タンポポ)などがあります。芳香のあるものに、清潔感の漂うシュンギク、ミツバ、パセリや、食欲をかき立てるサンショなど、控えめだが古くから用いられてきた種類があります。
ベビーリーフは葉が大きく生長する直前でしかも幼葉の全体を利用するため、また加熱しないで生食するため、通常の緑黄色野菜より更に栄養価は高まります。たとえば、グリーン・ロメインでは可食部100g当たりカロテンは1,120mg、ビタミンEは1.3mg、ビタミンCは15mg含み、球レタスのそれぞれ4.4倍、1.9倍、1.7倍含まれています(野菜花き試HP育種部)。料理にはサラダにしても、また洋風に豚肉と合わせたり、和風にカツオのたたきと組み合わせてもあいます。
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