・これから需要の伸びるロケットの栽培と利用
ロケットはアブラナ科に属する1年性植物で、ルッコラ(伊名)あるいはキバナスズシロとも呼ばれます。野生種も欧米では利用されており、葉も大型で香がきつく、これは宿根草です。地中海原産で、ヨーロッパに広く分布しています。古代ローマ時代から栽培され、ヨーロッパではよくサラダなどに用いられます。日本での栽培は新しいが、ベビーリーフとして定着してきており、クレソンのような利用拡大が期待されます。
寒さに対する抵抗性は強く、時期を選ばずまた比較的高温期にも栽培できます。春と秋の2回播種でき、特に初秋にまくと秋から冬まで収穫できます。生育は早くて、播種後6~8週間で収穫できるようになります。寒さに遭うと花芽ができ、葉の生長と増加は停止します。そこで寒さに遭わないように播種期を選べば、収量は増加します。夏には開花・結実して茎葉が硬くなるので、収穫期間を伸ばすには、蕾や花を見つけ次第摘んでやります。花も葉もと同じゴマの匂いがして食べられます。
肥沃な土壌で日当たりと排水が良ければ、どこでも栽培できます。かなりやせた土地でも、生育はやや劣りますが十分生育できます。播種1か月前までに基肥と石灰を混ぜ、耕耘します。畦の整地をする際には土壌を十分耕耘して、表土も細かく砕いておきます。播種時期は3~7月までと幅があり、いつでも播種できます。生育は早いので畑に直播するのに適しています。時期を変え播種すると、若い茎葉を長期間収穫できるので便利です。
種子は小さいので条播して軽く覆土し、十分潅水します。出芽するまでに湿度を保つようにします。出芽してきたら生育の旺盛な個体を残すよう間引きし、株間を10㎝くらいあけます。低温期に生育する種類であり、光はそれほど強くなくてもよいようです。むしろ比較的明るい日陰で栽培したほうが、柔らかい葉になります。
栄養価は高く、ビタミン、ミネラルを豊富に含み、カロテン3,600μg、B10.06mg、B20.17mg、C66mg、カリウム480mg、カルシウム170mg、鉄分1.6mgを含んでいます。
葉は小型で、早どりした茎葉をサラダなどに用います。ゴマに似た味がし、生育するにつれて少し辛味が出てくるので、マスタードの代用にも使えます。辛味を消したい場合には、短時間加熱します。若い葉をサラダに加えてやるとゴマに似た香りがサラダを引き立てます。お浸しにしてもお吸い物に入れてもよく、中華料理の炒め物などにも広い用途に使われます。ホウレンソウやコマツナと同じように利用できます。
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コメント
こんばんは。
ベランダのプランターでハーブなど何種類かの
植物を育てていますが、ルッコラも植えています。
栽培や収穫の仕方、とても参考になりました。
今まではサラダにして食べていましたが、
お吸い物に入れてもいいのですね。
今度試してみます!
投稿: hanano | 2011年4月 7日 (木) 20時00分
hanaoさん コメントを有難うございます。ハーブも色々作っておられるのですね。
ハーブも少しあると料理やハーブティーに重宝しますね。ルッコラにも、宿根草のワイルドロケットがあり、これだと毎年タネをまかないでも、残った株から新しい芽が毎年生えてきて便利ですよ。
葉が少し大型で、香もきつく、アメリカのニューヨークなどではこちらが多いですね。同じプランターなどに、コマツナ、サラダナ、アオジソ、ステビアなどと一緒に播いておくと、生えてきたものから収穫でき、ベビーリーフになりますよ。
ステビアはとても甘くて、しかもカロリーレスで健康食品によく使われていますよ。
投稿: プロフユキ | 2011年4月 7日 (木) 23時03分