・野菜の育ちの理解に役立つ本の紹介
野菜の栽培をする人が最近増えています。家を建てたから、あるいはベランダのスペースがあるからなど、場所的に余裕ができれば草花や野菜を作り出す人が多いようです。私達の子供の頃は田舎に行けば、あるいは郊外に出れば、あちこちに作物が育っていたものです。野菜や花を栽培することで、子供時代の郷愁にふけったり、自然との共生をしていたことを思い出すのかもしれません。
また実利的にあるいは安心・安全の観点から、野菜の栽培する人もあることでしょう。このような目的で、脱サラをして農業法人を起こす人も増えているようです。野菜の栽培を始めた人がまず困ることは、どのようにして栽培すればよいのか、近所に聞ける人が少ないことでしょう。
そういった要望に答えられるよう、私は「Q&A 絵で見る野菜の育ち」を書きました。幸い多くに人に読まれているようで、既に4刷を重ねています。この本ではいまさら聞けない多くの疑問に答える形式で、野菜の発育特性を栽培に関連付けて解き明かしています。なぜエンドウは直播し、トマトは育苗してから定植するのかなど、従来の栽培書では十分には書かれていないことが多いものです。
例えば「野菜作り大図鑑」は良く書けた本ですが、大半は野菜別(各論的)に作り方が書かれています。初心者にとって各論的に書かれているため、それがその野菜だけに通用することなのか、あるいは一般的な事柄か、区別が難しいことでしょう。なぜ、どうしてそうするのかと疑問の多い人には、総論的にかかれた私の本が向いています。私は総論的に野菜の生理を理解すれば、その理屈に従って栽培できるものと考えています。
そういった観点から、初級をマスターした中級の人向きに、「野菜の発育と栽培」を書いています。この本でもやはり総論的に、野菜の発育を種子発芽、休眠、生長、開花結実、鮮度保持などと、発育の順を追って書いています。この本も元来は大学での講義用テキストとして書いたのですが、図表や写真も多いことからか、結構一般の人にも読まれているようです。
これらをマスターした上級向きの本が専門書と呼ばれるもので、「最新農業技術 野菜2」、「地域食材2 野菜」や「地域食材3 果実・木の実ハーブ」などでは、いわばプロ向きに愛の要点を書いています。
また園芸に関する雑誌として初級・中級向きには「はなとやさい」(タキイ種苗)があり、中級・上級向きに「農耕と園芸」(誠文堂新光社)、「現代農業」(農文協)や「タキイ最前線」(季刊・タキイの種苗店で無料配布)があります。これらの雑誌では、最新の情報が得られますので、書店で見かければ読んでみてください。
関連の記事が 園芸植物・園芸情報 にもありますので、ご覧ください。
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