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2010年10月10日 (日)

・これから需要の伸びるフローレンス・フェンネルの栽培とその利用

セリ科ウイキョウ属に属する多年草で、原産地は地中海沿岸部から南ヨーロッパとされている。別名はイタリアウイキョウあるいはフェンネルで、イタリアではフィノッキオと呼ばれます。株元がタマネギのように肥大するのが特徴で、近縁種にハーブとして利用される、株元の肥大しないフェンネル(ウイキョウ)がある。

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        フローレンス・フェンネルの葉球

古くからスパイスとして利用され、その芳香薬用効果はギリシャ・ローマ時代から認められていた。茎葉だけでなく種子にも甘い芳香がある。現在の主産国にはヨーロッパ中部・南部、エジプト、アジア諸国、アルゼンチンなどがある。

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イタリアでのフローレンスフェンネル栽培

日本には平安時代に導入され、江戸時代に各地で栽培されたが野菜としての利用は広がらなかった。株元から多くの根出葉がつき、葉は深く切れ込んでいる。根出葉の葉柄基部は肥大して葉球を形成しており、この葉球と細かく切れ込んだ葉を食べます。地上部全体にアニスに似た芳香があり、ハーブとして料理にも利用され、また薬草としても整腸、健胃、利尿作用がある。

種子はサラダ、ソース、魚料理などに香りつけとして用いられます。葉球はそのまま輪切りにしたりあるいは葉柄別に分け、そのままサラダにしたりあるいは焼いたりゆでて食べます。肉料理魚料理にも合いますが、スープに入れてもよく利用されます。葉は肉、魚にまぶして調理したり、あるいはサラダのトッピングに使われたりします。

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ザルツブルグで見かけたフローレンス・フェンネル

多年草45年同じ圃場で栽培するため、根が十分広げられるよう、堆肥を十分入れると共に、定植までに土壌を良く耕耘しておきます。生育にはかなりの肥料を必要とします。

生育には比較的に温暖な気候を好み、耐寒性はあるが高温にはやや弱いようです。生育期には十分な日照潅水を必要とします。

種子は一般に春か秋にまき、発芽適温は1520℃くらいで、約23週間で発芽します。株間50cmくらいで点まきし、本葉が23枚になった後生育を見て間引きます。初期生育は緩慢で、葉球ができるまでに23か月かかります。1年目では78月頃に開花し、秋の終わり頃種子は成熟します。2年目以降では、春に萌芽して67月頃開花します。春先に前年の茎葉を刈り取り新梢が出やすいよう整枝をしておきます。株元に土寄せしてやれば、真っ白で柔らかい葉球になります。

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フローレンス・フェンネルの葉と葉球

香りが強いため虫が寄りつかないで、無農薬で栽培できます。可食部の新鮮重100g当たりタンパク質1.1g、脂質0.4g、糖質3,2g、繊維1,2g、灰分0,7g、ビタミンC22,1mg含みます(川合、1988)。地上部は種子と同程度に精油を1 1.5%程度含んでおり、その主成分はアネトールです。

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フローレンス・フェンネルを使った料理

ホタテソテーとフェンネルとパプリカのマリネ添え(左)、フェンネルのスープ煮(右)。

関連の記事が ハーブの紹介野菜とその花の紹介アンナのレシピ にもありますので、ご覧ください。

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