・京野菜の成立と技術的発展(その2)
これは2006年8月に農業生産技術管理学会シンポジウムで発表したもので、多少内容を変えて6回に分けて紹介します。京野菜の野写真は別に載せる予定でいます。
○京野菜の成立
文化的背景
京都には古くから都がおかれ、天皇を取り巻く行政機関と地方からの出張所がおかれ、それを支える多くの貴族、役人、僧侶が住んでおり、多くの文化的に高い消費者がいた(図1)。また、大陸からの文物も、その多くの優れた物はやがて京都に集められ、それらの洗練された利用が京都で更に深まり、地方に伝播していった。その一部は江戸末期に絵に描かれ、現在に残っている(呉春―蔬菜図巻、若冲―果蔬涅槃図、若冲― 菜虫譜)。
京都には文化の伝承者として、公家、僧侶がおり、また文化を支える技術者、芸術家がいた。これらの人たちは仏教伝播などとつながって野菜の利用を進め、各種の精進料理あるいは会席料理などが発達してきた(図2)。野菜は食料としてだけでなく、医療の進んでいなかった当時としてはネギ類のニンニク、ネギなどは薬用的にも重要であったと思われ、それらの種子をつけたネギ坊主は、橋の欄干や御神輿の先端などに擬宝珠として今に残っている(図3)。
図1 京都の文化背景
図2 料理の担い手とその利用者
図3 重要な渡来野菜
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