・形と色の面白いパッションフラワー
トケイソウ科トケイソウ属には約29種あり、ほとんどの種が熱帯アメリカとその周辺に、少数がアジア、オーストラリアに分布し、熱帯各地に野生化したものがある。
草本または木本のつる性植物。ガク片と花弁は共に5枚で、花弁の内側には1ないし数本のひげ状の副花冠がある。この副花冠の色や模様が種により異なる。おしべは5本あり、花糸の基部で合着している。子房は珍しく柄をもち、花柱は3本に分かれている。果実は液果で多数の種子を含む。トケイソウ属の果実は一般に甘み、風味をもち、生食やジャムに使われたり、また少し酸味があるが女性の好むジュースなどにされる。
観賞用にはPassiflora caerulea L.が使われ、和名トケイソウ、英名blue-crown passionflowerで、ペルー、ブラジル原産のつる性常緑低木。花は径10cm、ガク片と花弁の内側は白色から桃紫色。副花冠は4層からなり、基部は紫色、中部は白色、先端は青色になる。果実は楕円体で長さ5~6cm。その栽培 増殖は実生、挿木時に株分けによる。温暖地で露地栽培できる。おしべとめしべの様子がキリストのはりつけに例えられ、passionflower(受難の花)といわれる.
果実用には P. edulis (パッションフルーツ)が用いられる。和名クダモノトケイで英名passion fruit。限られた地方であるが、日よけ棚などに利用されるという。
パッションフラワーの花の形態(園芸植物大事典、1989)
ア:ガク片、イ:花弁、ウ:副花冠、エ:子房柄、オ:ヤク、カ:子房、キ:花柱
パッションフラワー 花弁の内側が白色
パッションフラワー 花弁の内側が白色、副花冠が交互に白と青色
パッションフラワー 花弁の内側が赤色
パッションフラワー ニカラグア産
(2010.7.26の記事を修正)
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コメント
時計草のグロテスクさには関心を持って観察していました。
東本願寺南塀の、蓮が生えている堀があって、堀沿いの露地にあるお宅で育てておられます。
また、北白川別当町から下った琵琶湖疎水に架かる橋の欄干にまとわりついて?咲いています。
直ぐヨコの花屋さんが育てておられるのだと思います。
わが家でも咲かせてみたい植物のひとつです。
投稿: 照焼テリー | 2010年8月25日 (水) 21時23分